絶対音感を持っている人の特徴・メリット
絶対音感を持っている人には、いくつかの特徴があります。ここでは、3つの特徴・メリットについてご紹介いたします。
音を聴いただけで音階が分かる
絶対音感は、比較するものがなくても音高を正確に認識することができます。そのため、音を聴いただけで、音階(スケール)を認識することが可能です。相対音感は、音階を聴き分けるのは苦手ですが、絶対音感があれば分かります。楽器の演奏や作曲、コーラスなどの音楽に関わる人にとっては大きなメリットになります。
曲の再現能力が高い
「耳コピ」という言葉をご存知でしょうか? 曲を聴いただけで、その曲を楽譜なしで再現することができることをいいます。耳で音を記憶して、それを楽器でアウトプットしていると言えば分かりやすいかと思います。耳コピは、絶対音感がなくても、聴いた音と自分が演奏している音を比べて探りながら演奏することができます。ただ、絶対音感を持っている人は音高を正確に認識することができるので、曲の再現の精度が高いです。
曲の記憶が速くて正確
絶対音感を持っている人は、曲の再現能力だけでなく、記憶するのも速いです。これは、高精度で音高を認識しているため、音をほかの音と比較する作業をしなくていいためです。そのため、曲を覚えるスピードが絶対的に速くなります。また、曲の記憶の精度も高いので、正確なアウトプットを実現できます。
音楽関係の仕事で成功しやすい
音楽関係の仕事で活躍されている方の中には、絶対音感の持ち主がいます。例えば、女優・歌手・ピアニストとして活動されている松下奈緒さんや、日本の国民的歌手・美空ひばりさん、世界屈指のエンターテイナーのマイケル・ジャクソンさん、ベートーベンに並ぶ音楽家・モーツァルトは、絶対音感の持ち主です。
また、ピアノの調律をする調律師、編曲や採譜をする会社でも、絶対音感を生かすことができます。ただ、音楽関係の仕事で成功するには、絶対音感以外に相対音感や演奏する技術、作曲する能力なども必要です。
絶対音感にこだわらずに、お子さんの音楽の能力を高めたいと考えているならば、音楽大学附属小学校に進学するという選択肢もあります。音楽大学附属小学校は、音楽が日常の風景の中に溶け込んでいる環境です。音楽関係の仕事に就きたいと思っているお子さんには、理想的な環境と言えるでしょう。
国立音楽大学附属小学校については、こちらの記事で詳しく解説しています。
絶対音感にはデメリットもある
絶対音感は特殊な能力でメリットばかりだと思われがちですが、デメリットもあります。特に日常生活でデメリットを感じることがあるようです。
日常生活でさまざまな弊害が起きる
絶対音感がないとイメージしづらいですが、生活に関するあらゆる音も音名で聴こえてしまうため、そちらに気を取られて集中できないことがあるようです。例えば、スマートフォンの着信音や電車、車の音、掃除機や時計の針の音などが挙げられます。また、曲によっては雑音だらけに聴こえてしまうこともあるようです。
さらに、音楽を聴いていても音高で聴こえてしまうため、歌詞に感情移入して浸ることができない、音楽の演奏能力まで高いと周囲から思われてしまうなど、苦労も多くあるようです。
絶対音感のデメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
絶対音感を持っているのに音痴になることも
絶対音感がある人は、音楽に関することすべてにおいて長けていると思われがちです。しかし、絶対音感はインプットの能力であり、アウトプットの能力ではありません。絶対音感を持っていても、アウトプットの部分が苦手であれば音痴になることもあります。
もちろん、自分が発している音が正しいかどうかは認識することができますが、発生や声域、ブレスの仕方などは体の運動機能に関係してきます。この運動機能が高くなければ上手に歌うことは難しいでしょう。自分が正確に歌えていないことを認識できる分、歌が苦手だと辛いものがあるかもしれません。
絶対音感と音痴の関係は、こちらの記事で詳しく解説しています。
絶対音感のテストをする方法は?
ここまでご紹介してきたとおり、絶対音感は定義が確立されているわけではなく、バラツキがある能力です。そもそも人間の能力を絶対的な物差しで測ることは難しいです。しかし、お子さんが絶対音感を持っているかどうかは、親御さんにとっても気になるところではないでしょうか。
そんな要望にお応えして、ウェブサイトやアプリには絶対音感を簡単にテストできるものがあります。ただテストするだけではなく、ゲーム感覚で音感を養うことができるものもあります。
例えば「絶対音感テスト」はウェブ上で簡単に受けることができますし、絶対音感のハイクラステストや相対音感テストもあります。
絶対音感をテストされたい方は、こちらの記事をご覧ください。
まとめ
絶対音感は、音楽の道を進む上で一つの武器になる能力です。曲の再現精度や記憶速度の速さは、楽器を演奏したり、指揮をしたり、歌ったりするには確実なメリットとなります。
また、マイケル・ジャクソンや美空ひばりさんなど、音楽シーンの第一線で活躍された方々の中には絶対音感を持っている人もいます。臨界期には、子供の聴力はすくすく成長していきます。お子さんの聴力を鍛える選択肢の一つとして、絶対音感のトレーニングを取り入れてみてもいいかもしれません。
参考
音楽学生における絶対音感と相対音感の国際比較 研究成果報告書 | 科研費
絶対音感の7つのメリット|音楽の道に進む条件とは | ミュージックプラネットブログ
絶対音感はどう養う? 子どもに身につけさせたい、絶対音感と相対音感のトレーニング法。