ギャングエイジは何歳の子供に起こりがち?
冒頭でも触れましたが、一般的にギャングエイジは、小学校3〜4年生にかけての反抗期だと言われています。しかし、人によっては小学校6年生頃まで続くこともあるようです。
東北福祉大学で開講されている科目の1つである生涯発達心理学では、「ギャングエイジ」を子供の生涯発達に必要な過程だとしています。子供の成長はいくつかの段階に分けられ、そのうち小学校3〜4年生の間にもっとも起こりやすい反抗期の1つがギャングエイジなのです。
プロセス4:児童期の発達 (5章)
学習内容・キーワード
①児童期のもつ意味について理解
②言語の機能についての理解
③児童期の思想についての理解
④友人関係の意義についての理解
キーワード:過渡期,巧緻運動,思考の 道具,聴覚記憶・視覚記憶,倫理的・客 観的思考、ギャングエイジ学びのポイント
①児童期が幼児期の延長上にあり,児童期の終わりは成人期の入口であることを理解する。
②中心的な人間関係が、タテ の関係からヨコの関係に移行することの意義を理解する。
(引用元:生涯発達心理学|東北福祉大学)
ギャングエイジの特徴は?
「今まで学校の話をしてくれたのに家に帰ってきても全然話してくれない」「注意をすると反抗的な態度になったり、口答えをする」など、ギャングエイジと呼ばれる反抗期の子供にはどんな特徴があるのでしょうか?
- 親や大人が見ていないところで、子供たちだけで活動する
- 仲間同士だけの合図・約束・秘密の場所等を共有する
- 仲間の中で、リーダー等の役割や責任が発生する
- 学校の決まりや親との約束を破る
- 親や先生の言うことを聞かない・言い訳や口答えをする
- 大人びた仕草や、悪い言葉使いをする
- いじめ・いたずら・悪さをしている
ギャングエイジの子供との関係を保つには
やると約束したことをやらずに嘘をつく、学校の先生の言うことや親の言うことが聞けないなど、何の前触れもなく突然訪れた子供の反抗期に戸惑う人は多くいるはずです。反抗期にある子供との関係を良好に保つためには、どう接すれば良いのでしょうか?
子供の意見をしっかりと聞く
1番大切なのが、子供の言い分をきちんと聞いてあげること。「宿題をやってから友達と遊びに行くと約束したのに、勉強を後回しにする」「何か注意すると反抗的な態度になって言うことを聞いてくれない」といったように、子供の言動に振り回されてついイライラしてしまうかもしれません。
しかし、ギャングエイジは子供が学校生活を営む上で必ず通過する道です。頭ごなしに叱るのではなく、子供の話に耳を傾けてあげてください。「私はあなたの理解者」ということを子供に認識させ安心感を与えることができるのです。その上で、「でも私はこう思うよ」と大人としての意見を伝えてあげてみてください。
また、耳を傾けて子供の話を聞く力の「傾聴力」を伸ばす方法について、こちらの記事で解説しています。
間違ったことはきちんと叱る
「子供に嫌われたくない」「子供との関係をぎくしゃくさせたくない」といった理由から、きちんと叱ることができない人もいるのではないでしょうか? 子供の意見をしっかり聞くことも大切ですが、ただ迎合するだけでは「なんでも許される」と思われてしまうかもしれません。
子供に善悪の分別をつけさせるためにも、人として間違っていると思うことはきちんと叱りましょう。また、厳しくした後はフォローを忘れずにしてあげてください。ただ一方的に叱るだけでなく、「私はあなたが好きだから(大切に思っているから)言っているんだよ」という愛情を持って接してあげることが子供の心理的安全性を高めてくれます。
子どもを上手に叱る方法としては『飴と鞭』の考え方が有効です。飴と鞭についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
子供同士の秘密に寛容になる
子供同士にも、親に内緒にしておきたい秘密はあるでしょう。その日学校であったことを根掘り葉掘り聞いてばかりいると、子供が息苦しくなって生活しづらくなってしまいます。間違った方向に進むことのないように子供の様子を気にかけながら、遠くから温かく見守る余裕も持ちましょう。
あまりにも、子供にも関わりすぎる接し方は「過干渉」と呼ばれています。過干渉については、こちらの記事で解説しています。