【作文の書き方】執筆
作文で書くテーマと構成についてまとまったら、いよいよ執筆作業(③〜⑥)です。1つずつ解説していきます。
作文の書き出しを書く
作文の書き出しは、読み手の心をつかむためにも重要な部分です。「今日は○○のお話をします」という書き出しばかりだとただの報告書のようにも感じてしまいます。
書き出しは文章全体の構成にも大きく影響を与えます。なかなかうまく始めることができない場合は、ほかの人の文章の真似をしてみるのもいいかもしれません。
それにしても、天気予報をよく見た1週間だった。
小学生の娘の運動会があるからだ。
(引用元:【夕焼けエッセー】梅雨の運動会|産経WEST)
このエッセーは、いきなり天気予報の話題を始めます。読み手は「あれ?」と思いますが、次の行で「運動会がある」と書かれているので納得がいきます。分かりやすい順番なら「今週は小学生の娘の運動会があるので、天気予報をよく見た。」となるので、これは一種の倒置法のようなテクニックです。
たくさん文章を読むことで、表現の引き出しを増やすことができます。実際に作文が苦手な子供にプロの文章を視写させると、語彙や文体に幅が出て作文への意欲が高まるという実験結果も出ています。
作文の書き始め方についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
参考
視写による作文学習の有効性の検討 : 小学校3年生の作文の苦手な児童を対象として|江川克弘|鳴門教育大学学術研究コレクション
作文を書き進める
作文を書き進めるうちに細かいネタが出てきたら、それについて自分がどう思ったかや、その理由など、エピソードを膨らませる部分を書き出していきましょう。
上手に話をまとめつつ深ぼっていくには、5W1Hのフレームワークに従って整理するのがおすすめです。
5W1Hのフレームワーク
テーマ | 作文のテーマ | |
---|---|---|
エピソード | 具体的なエピソード | |
エピソードの 具体的な内容 |
だれが(Who) | エピソードの人物 |
いつ(When) | エピソードの時期 | |
どこで(Where) | エピソードがあった場所 | |
何が・何を(What) | エピソードの内容 | |
なぜ(Why) | エピソードが起きた原因・理由 | |
どうやって(How) | エピソードの手段・方法 |
上記の表に、作文でネタにしているエピソードを当てはめてみると、状況が分かりやすく整理されます。「話がこんがらがってきてよく分からない!」となったまま書き進めてしまうと軸がブレたまま話が進んでしまって危険なので、作文の話が脱線しそうになったら一度5W1Hで状況整理するようにしましょう。
作文の締めくくりを書く
冗長になってしまう、話題がそれて着地点が分からなくなってしまうのは、作文を書くときに構成を意識していないからです。書きづらく感じるかもしれませんが、最初は起承転結の4部構成を上手に使いこなせるように練習しましょう。
書き出しと締めくくりを読むだけで、作文の「起」に対する「結」が分かるようになっていることが大切です。作文の終わりあたりで「要するに◯◯」という形で印象づけてあげると読み手の頭に残りやすく、作文の内容の中で特に重要なところを伝えることができます。
作文の題名・タイトルを書く
作文の題名・タイトルは、1番最後に書きましょう。作文全体の内容から、特に伝えたいことまで、作文の題名としてふさわしい言葉を総合的に選んで決めてください。
題名で作文の内容の良し悪しは変わりませんが「作文が読まれるか、読まれないか」にとても影響します。せっかく頑張って作文を書ききったのですから、最後に素敵なタイトルを付けて、良い作文に仕上げましょう。
作文の題名の付け方についてはこちらの記事でも解説しています。
【作文の書き方】チェック
作文を書き終わったら、最後はチェックです。作文のチェック方法は、自分でチェックする方法(セルフチェック)と、誰かにチェックしてもらう方法(添削)の2種類があります。
誤字脱字などがないか確認する
まずは自分で作文に誤字脱字がないかなどをチェックしましょう。文章の質はともかく、誤字脱字や原稿用紙の使い方などは自分でも確認ができます。
自分で書いた文章を誰かに見せる際には、必ず自分で一度確認する癖をつけさせるようにしましょう。学校や会社などで、「◯◯さんは自分でやったことの確認がしっかりできている」という評価を得やすくなります。
作文を添削してもらう
子供に最低限のチェックを自分でさせたら、子供が書いた作文を添削してあげましょう。間違った言葉使いや好ましくない文章の書き方をしている場合は、早い段階で指摘して直さないと一生そのままになる可能性があります。
添削するのは親御さん自身でも良いですし、もし添削するのに自信や時間がない場合は、知り合いで文章が上手な人に頼むか、「齋藤孝とつくる本 いますぐ書けちゃう作文力」の著者でもある明治大学の齋藤孝先生監修「ブンブンどりむ」など、作文の添削サービスを利用してみると良いでしょう。
ブンブンどりむは利用者の95%が中学受験にも役立ったと回答しており、子供の作文力を上げるのにおすすめの教材です。