子どもの喧嘩を学びに変える3ステップ!親の介入が子供に与える影響 - cocoiro(ココイロ) - Page 2

子供にとって喧嘩は大切!

怒ったり泣いたり騒いだり、喧嘩をしている子供の姿を見ると不安になってしまう人もいるでしょう。しかし、子供にとって喧嘩は学びの機会であり、良い効果をもたらす可能性もあります。

白梅学園大学子ども学部子ども学科の増田修治教授は、子供の喧嘩についてのインタビューで以下のように述べています。

特に幼少期3歳くらいから小学校低学年くらいまでのケンカ体験は重要で、相手を攻撃したら、相手が泣いたりすることで事の重大さや相手の痛みを理解し、自分も攻撃されることで心や体の痛みを知り、加減というものがわかるようになります。

(引用元:子どものケンカ。その効果的な対処法は?|mamatenna

喧嘩をするとつい感情的になってしまい、暴れたり相手を叩いたりしてしまう子供もいるかもしれません。幼い子供にとって、友達から叩かれることはとても怖い経験です。驚いて泣き出してしまう子供もいるかもしれません。

しかし、相手が泣き出すことで、叩いた方も「自分は悪いことをしてしまったかもしれない」と気づくことができます。今のような叩き方をすると相手を傷つけてしまうのだと身をもって学ぶことで、相手を思いやる気持ちが育まれます。

叩かれた方は怖い思いをしてしまいます。しかし、同時に「友達から叩かれたら痛いし、怖い気持ちになる」ということを学ぶことができます。自分が怖かったから相手にもしてはいけないと思うことで、喧嘩の際に暴力を振るわなくなるでしょう。子供は喧嘩をとおして、相手の痛みや気持ちを考えられるようになります。

喧嘩をしないとどうなる?

子供のうちに喧嘩を経験しない場合、どのようなことが起こり得るのでしょうか?

喧嘩は相手の気持ちを考えたり、痛みを知ったりすることができる機会です。喧嘩を経験しないということは、「これをしたら相手がどうなるか」「こう言ったら相手がどんな気持ちになるか」を考える機会がないということになります。

年齢を重ねるにつれて体力も増し、力も強くなっていきます。成長してから相手に手をあげてしまうと、幼少期以上に相手を傷つけてしまうかもしれません。さらに語彙力も増えると、相手を傷つける言葉を容赦なく使用してしまう可能性もあります。

まだ幼いころの喧嘩であれば、最終的に親が解決の手助けすることも可能です。助けの手が得られるうちに、さまざまな経験をさせておくことが豊かな感情の獲得につながると言えるでしょう。

親の対応が子供の喧嘩を学びに変える

子供の喧嘩は相手のことを考えるための良い機会となります。しかし、良い経験として子供に学ばせるためには親の接し方もポイントになります。

増田教授は先述のインタビューの中で、子供が喧嘩から学ぶことについて以下のように述べています。

勘違いしてはいけないのは、“ケンカすれば学べる”ということではないんです。つまり、ケンカしっぱなしではダメということです。ケンカをしたあとに、何をわからせるか? がもっとも重要なこと。何が原因だったのか? ケンカしてどんなふうに思ったのか? どうすれば防げたのか? を、その都度しっかり子どもに考えさせることなんです。つまり、ケンカにもルールと教育が必要なのです。

(引用元:子どものケンカ。その効果的な対処法は?|mamatenna

喧嘩をしてしまった子供には、そのとき感じたことや原因についてを考えてもらう時間をとりましょう。「どうして○○君は怒ってしまったのかな?」、「○○ちゃんにこんなことを言われて、どんな気持ちになったかな?」というように、気持ちについて考える機会を作ってみると良いでしょう。

喧嘩を学びに変えるためには、「仲直りできて良かったね!」で終わらせないことが大切です。次に同じ喧嘩を起こさないためにも、今回の喧嘩の原因と感じたことを「学び」として一緒に考えてあげましょう。

身近な兄弟喧嘩

子どもにとって一番喧嘩をする相手で身近なのは兄弟です。子どもが2人以上いる家庭では、兄弟喧嘩が日常茶飯事ということも珍しくないでしょう。

身近な兄弟喧嘩の中からも子どもが学ぶことはたくさんあります。頻繁に起こる兄弟喧嘩からも上手に子どもの成長を引き出してあげましょう。
では兄弟喧嘩にどのように対応することが望ましいのでしょうか?

兄弟喧嘩の対応に関して詳しく書いてあるこちらの記事を参考にしてみてください。

兄弟喧嘩の原因と対応について解説!親が意識するべき3ポイントとは

大人の喧嘩からも学びを

喧嘩は子供同士だけのものではありません。大人が関わる喧嘩にはどのようなものがあるでしょうか。

親子喧嘩

自分の意思がはっきりしてくると起こるのが親子喧嘩です。自己意識が芽生え初めの子どもは、自分の気持ちをまっすぐ親に対してぶつけてきます。子供同士の喧嘩とは違い「相手が大人である」という点で、大人側の対応次第では子どもに対して良いきっかけを与えられることもあります。

親子喧嘩となった場合にはできるだけ感情的にならずに、子供がどのような不満を持っているのかを理解するようにしましょう。また、子ども自身にも自分の行動が正しかったかどうか考えるきっかけを与えることで、子どもの理性を育てることができます。

親子喧嘩の上手な解決方法についてはこちらの記事を参考にしてください。

こんな親子喧嘩はご注意!気をつけるべきことと仲直りのポイント3点

夫婦喧嘩

夫婦喧嘩も子供の前で行われていたら、子供に対して良くも悪くも影響を及ぼします。特に喧嘩の様子によっては性格など、子供の成長にも影響してくるので気をつけたいものです。

ですが工夫次第では上手に夫婦喧嘩をすることによって良い意見交換のお手本となることもできます。夫婦喧嘩などからも子供がどのように自分の意見や感情を相手にぶつけるのがいいのかを学べるように意識してみてください。

また夫婦喧嘩の影響や、上手な夫婦喧嘩の仕方などさらに詳細なことはこちらの記事を参考にしてみてください。

お父さんとお母さんが怖い……夫婦喧嘩が子供に与える影響とは?