電気通信大学と同程度の難易度・偏差値の大学
工学系国立大学4大学を総称した「電農名繊」という呼称を聞いたことがあるでしょうか。「電農名繊」とは、「早慶上智」「MARCH」「関関同立」などと同じように、同程度の難易度とされる大学群を表す言葉の1つです。
「電農名繊」を構成するのは以下の4大学となります。
- 電気通信大学
- 東京農工大学
- 名古屋工業大学
- 京都工芸繊維大学
所在地はそれぞれ離れていますが、同程度の偏差値・難易度の大学として併願候補(※)にもなるでしょう。以下、電気通信大学を除いた上記3大学に私立理系の難関大学の1つである東京理科大学を加えた4大学の概要を偏差値とともに紹介します。
※国立大学はセンター試験後の2次試験の日程が同じなので、基本的には1校しか受験できません。複数の国立大学を志望する場合は、前期日程で第一志望校を受け、後期日程で第二志望校を受けるのが一般的です。
東京農工大学
東京農工大学は、東京都府中市に本部を置く国立大学です。1874年に設立された内務省勧業寮内藤新宿出張所の学問所を起源とし、1949年に大学として開学しました。略称は農工大、農工です。学部は「農学部」と「工学部」の2つ。キャンパスは東京都府中市と小金井市にあり、調布市にキャンパスを置く電気通信大学とは「電農名繊」の中で最も距離が近い大学です。工学部に限った偏差値は「52.5〜60」となっています。
名古屋工業大学
名古屋工業大学は、愛知県名古屋市に本部を置く国立大学です。1905年に設立された名古屋高等工業学校を起源とし、1949年に大学として設置されました。名工、名工大などの略称があります。学部は「工学部」のみ(第一部と第二部に分かれています)の単科大学です。偏差値は「47.5〜60」となっています。
京都工芸繊維大学
京都工芸繊維大学は、京都府京都市に本部を置く国立大学です。1899年に開設された京都蚕業講習所を起源とし、1949年に大学として発足しました。略称は工繊、工繊大、京工繊、KIT、京工、京工大、繊維大、京繊など。学部は「工芸科学部」のみです。芸術と科学を融合した教育・研究が特色です。偏差値は「52.5〜60」となっています。
東京理科大学
東京理科大学は、東京都新宿区に本部を置く私立大学です。1881年設立の東京物理学講習所に起源を持ち、1949年に大学として開学しました。略称は理科大、TUSなど。設置されている学部は「理学部第一部」「理学部第二部」「工学部」「薬学部」「理工学部」「基礎工学部」「経営学部」です。偏差値は「45〜62.5」となっています。最近では私立の難関大学として、早慶上智に東京理科大学を加えた「早慶上理」という呼称も聞かれるようになりました。比較的偏差値・難易度の近い私立大学ということもあり、電気通信大学と併願する受験生も多くいます。
参考
東京農工大学 偏差値 入試難易度|大学進学情報のゴートゥースクール 河合塾グループ
名古屋工業大学 偏差値 入試難易度|大学進学情報のゴートゥースクール 河合塾グループ
京都工芸繊維大学 偏差値 入試難易度|大学進学情報のゴートゥースクール 河合塾グループ
東京理科大学 偏差値 入試難易度|大学進学情報のゴートゥースクール 河合塾グループ
電気通信大学の学費
電気通信大学の授業料は前後期合わせておよそ53万円、入学金が282,000円となっています。この金額は、国立大学の標準額と同じです。夜間主(先端工学基礎課程)は昼間(I類・II類・III類)の半額となっています。
区分 | 学部 | 大学院 | 納入時期 | |||
昼間 | 夜間主 | 前期課程 | 後期課程 | |||
入学料 | 282,000円 | 141,000円 | 282,000円 | 282,000円 | ||
授業料 | 前期 | 267,900円 | 133,950円 | 267,900円 | 267,900円 | 4月 |
後期 | 267,900円 | 133,950円 | 267,900円 | 267,900円 | 10月 | |
計 | 817,800円 | 408,900円 | 817,800円 | 817,800円 |
(入学料(入学金)・授業料一覧|電気通信大学より筆者作成)
卒業後の進路・就職先
電気通信大学は理系の大学ということもあり、大学院への進学者が6割を占めます。平成30年度の卒業生の進路は、大学院への進学が466名で卒業生全体の62.7%、就職が241名で全体の32.5%となっています。
大学院進学者の96.1%(448名)が電気通信大学大学院へ進学し、他大学大学院への進学者は18名です。進学先の他大学大学院は、東京工業大学、横浜国立大学、東京大学、慶應義塾大学、東北大学、筑波大学などとなっています。
就職先の業界は情報通信業(卒業生全体の16.8%)が最も多く、次いで電気・情報通信機械器具(2.8%)、汎用・生産用・業務用機械器具(2.8%)となっています。就職先の企業(※)は、富士通、リコー、日立製作所、KDDI、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ、キヤノン、ヤフー、ソニーなどです。
※企業は大学院卒業者の就職先も含みます。
参考
電気通信大学の著名な卒業生
電気通信大学の卒業生は多様な分野で活躍しています。以下、著名な卒業生を5人ピックアップしました。
- 久夛良木健(元ソニー・コンピュータエンタテインメント社長)
- 奥寺健(フジテレビアナウンサー)
- 新田次郎(小説家)
- 中村光一(ゲームクリエイター)
- 飯島澄男(物理学者)
まとめ
電気通信大学の偏差値や各学類、課程の特徴、併願候補の大学、卒業後の進路などについて紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。電気通信大学の偏差値は55〜60と全体的に高くなっていますが、地道な努力を積み重ねれば合格することは不可能ではありません。まずは、より詳しく大学について知るために資料請求を検討してみてはいかがでしょう。オープンキャンパスなどの機会を利用して、実際に見学してみるのもおすすめです。
参考
【大学入試ってどういう仕組み?】受験の種類と方法を徹底解説!|Studyplus