高卒で取れる資格②:飲食業界
次に高卒で働く人の多い飲食業界について、取れる資格を紹介します。
調理師
調理に関する資格としてはベーシックなもので、調理・栄養・衛生に関する知識と技能を有することを示す、名称独占の国家資格です。調理師免許を持っていなくても業務として調理することは可能ですが、その信頼度は異なってきます。
受験資格
調理師免許は以下の方法で取得できます。
①調理師養成施設を修了する
厚生労働大臣が指定する調理師養成施設(調理師専門学校)を卒業する。 ②調理師試験に合格する 中学校卒業後2年以上の実務経験を受験資格とし、都道府県知事が行う試験を受ける。 |
したがって高卒で調理師免許を取得するなら、②の方法で調理師試験を受けることになります。
試験内容
調理師試験は原則として年1回、都道府県ごとに行われ、多くの都道府県が公益社団法人調理技術技能センターに委託しています。試験科目は次の6科目です。
①公衆衛生学
②栄養学 ③食品学 ④食品衛生学 ⑤理師論 ⑥食文化概論 |
試験に合格した後、都道府県の所轄部署に申請し、免許を取得する必要があります。
取得後の道
調理師免許を持っていれば、養成講習を受けることなく食品衛生責任者になることができます。食品衛生責任者は飲食業を営むために必須の資格なので、将来独立開業する夢があるなら、調理師免許を取得しておくと役立つでしょう。
参考
食品衛生責任者
食品衛生責任者は、食品を扱う施設では必須の役職です。施設ごとに営業許可を取り、責任者を置く必要があります。
受験資格
都道府県等の食品衛生協会において講習会を実施しており、受講すると誰でも食品衛生責任者になることができます。また調理師の項で説明したように、栄養士、調理師、製菓衛生士などの資格を持つ人は、講習会を受講しなくても資格が得られます。
講習内容
東京都の例では、次のような講習内容です。1日の講習で、受講修了証(食品衛生責任者手帳)の交付まで完了します。
・衛生法規 1時間 ・公衆衛生学 1時間 ・食品衛生学 3時間(テスト含む) |
取得後の道
飲食店などの店長、厨房チーフなど管理的な立場を任された場合、責任者を務めるケースが多いでしょう。コンビニやスーパーで、店舗で食品を製造販売している場合も同様です。また飲食店を独立開業する場合は、食品衛生責任者の資格取得が必須です。将来の夢を見据えて、計画的に調理師などの免許を取っておくのもいいでしょう。
参考
食品衛生にかかわる資格|公益社団法人日本食品衛生協会
食品衛生責任者養成講習会|一般社団法人東京都食品衛生協会