心が動いた原因を突き止めるために自問自答しよう
読書感想文の本論で自分の心が動いたポイントを書くとき、因果関係がしっかりつながっている文章を書くようにしましょう。ここでいう因果関係とは、自分の心が動いた原因(文章)とその理由をいいます。
文章に説得力を持たせられるかどうかは、この「因果関係」の論理展開にかかっています。人の感情が動くときには必ず、原因となる事柄があります。それらを自分の言葉に置き換える作業こそが「翻訳」です。
「翻訳」する力は、自分の経験した感情から導き出すか、友達や家族との会話の中で相手の気持ちをくみ取ることで鍛えることができます。普段から自分の気持ちを客観的に整理したり、相手の話を素直に聞く癖をつけておくと良いでしょう。
本を読んだことのない相手に伝えるように書こう
読書感想文を書くときに案外盲点になりがちなのが、「読み手」の存在です。どの文章にも、書いた人の思いがあり、そこには必ず「読み手」がいるのです。読書感想文の場合の「読み手」は学校の先生やコンクールの担当者です。
そのため、読書感想文は本を読んだことのない相手に、自分の思考を伝えることを意識して書くことが大切です。ここでいう「伝えるように書く」とは、本を読んだ自分には分かりきった内容でも、省略せずに書くということです。情景描写や登場人物の心の機微を、読書感想文の読み手は分かっていないということを前提に作文しましょう。
この時、語彙力があるからといって、わざわざ難しい言葉を選んで読書感想文を書くのはおすすめしません。言葉とは、他者と思いを共有するための手段です。そのため、他者が意味の分からない言葉や自分が使いこなせていない言葉を使ってしまうと、内容が正確に伝わらなくなり、文章を書く意味がなくなってしまいます。
読み手が分かる言葉と文を使って、ていねいな作文を心がけましょう。
読書感想文のために読む本の選び方
読書感想文の書き方をご説明してきましたが、読書感想文が書けるかどうかは「心が動く」本に出会えるかどうかに左右されます。では、子供が読書感想文のために読む本はどのように選べば良いのでしょうか。
最大の選定ポイントは「主人公に共感できる本を選ぶ」ことです。大人なら分かる感情が子供には分からないということは多々ありますが、それは子供の経験値が大人よりも少ないためです。そのため、子供が読む本を選ぶのに迷っている場合は、子供の人生や性格をよく知っている家族や先生に相談すると良いでしょう。時間に余裕がある場合は、子供がほかの子に紹介したいと思えるような1冊に出会えるまで複数冊読むのもおすすめです。
下記参考では、子供が読書感想文を書くのにおすすめの本について、学年別に紹介しています。ぜひ、本選びの参考にご覧ください。
まとめ
読書感想文は学校やコンクールに提出する物なので、ついつい優等生に見られたいという見栄が出て、良い事ばかりをかいてしまいがちです。しかし、読書感想文の目的は自分の思考を深めることにあるため、マイナスの感情も見逃してはいけません。
本との出会いは、人との出会いに似ています。本を読むと「好き」「楽しい」というプラスの感情だけではなく、「嫌い」「苦しい」というマイナスの感情が湧き起こる経験をしたことがあるのではないでしょうか。
自分の思考を深め、本質を見直すためには、どんな感情も大切です。自分の思いを直視する力を養うことで、今抱えている悩みや問題は、どんなに時間がかかったとしても解決・克服することができるようになります。読書感想文を書くときは、肩肘を張らずに、自分の気持ちに素直になって書いてみましょう。
参考
読書感想文の構成【中学生・高校生向け】組み立てが決まれば書き方や順序も決まる!|空から降りて
書き出しに迷わない!読書感想文の構成テンプレート3選|Qikeru
中学生 読書感想文の書き方例!構成やコツを紹介。高校生でもOK|なんでも情報局