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夏休みの宿題の中で、子供が最も嫌がるのが読書感想文ではないでしょうか。本を読む習慣のある子でも、ただ本を読んで楽しむだけではなく、感想を文章に書き起こすことをおっくうに思うものです。
そこで当記事では、読書感想文を書く目的を踏まえて、作文構成の仕方や、読書感想文を書くのが楽になるコツをご説明します。読書感想文のために読む本の選び方も併せてご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。
もくじ
何を書いたらいいの?読書感想文を書く目的から考える
読書感想文とは、その名のとおり「本を読んだ感想を書いた作文」です。では、純粋に本を読んで楽しむのでは足らず、本を読んだ感想を書かなければならないのはなぜなのでしょうか。
読書感想文が「考える読書」といわれるのをご存じでしょうか。本を読むと、心が弾んだり沈んだりし、何とも言えない感動が残ります。その表現しにくい感情を、文字に起こすとき、人は本に書いてあったことをおさらいし「この感情がなんなのか、どうして湧き起こったのか」を考えます。そうして自分の気持ちを整理し記録することで、著者が伝えたかったことを見直し、ひいては自らが抱える悩みを解決する糸口を発見することができるようになるのです。
つまり、読書感想文を書く目的とは、本の世界観や著者の思いについて考えるきっかけを作ることで、自らの思考を深めることにあります。
そのため、読書感想文は「読書を通じて変化した自分」を書くことが大切です。いままで何気なく過ごしていた日常は、さまざまな人の思いが交差してつくり上げられています。その複雑で見えにくいけれど、確かにある「感情」を紐解く学習が読書感想文なのです。
読書感想文の構成は3つ!読書をする「自分」に注目
読書感想文の構成として最も多く推奨されているのは「序論」「本論」「結論」の3部構成です。ただし、3部構成といえど、それぞれが独立しているわけではありません。
序論があるから、本論があり、
序論と本論を踏まえて結論がある。
このように3部につながりを持たせて、作文の全体像を意識して書くことが大切です。それでは、3部のそれぞれについて書くべき「内容」と「文章量」についてご説明します。
序論:本を読む前の自分【15~20%】
序論とは、文章の始まりです。そのため読書感想文では、本を読む前の事柄を思い出して客観的に書きましょう。具体的には次のような内容です。
- 本を選んだ理由
- 本を読むきっかけとなった事柄
- いつどこで本を選んだかという経緯
- 本を読む前の自分の気持ち
- 簡単な本のあらすじ
序論の文章量は、全体の15~20%程度で簡潔に書くと良いでしょう。本論に向かうための導入文という意識を持って書き始めましょう。
本論:本を読んでいるときの自分【60~70%】
本論とは、相手に本の内容を伝える文章です。そのため読書感想文では、本を読んでいるときに自分の心が動いたポイントを主観的に書きます。具体的には次のような内容です。
- 心に残った理由
- 本のテーマに合った自分の経験
- 登場人物の行動や言動についての自分なりの意見
- 自分が登場人物の立場ならどうしたかという想定
本論の文章量は、全体の60~70%です。文章量が多いため、書けないという方は次の方法がおすすめです。
- 心が動いたポイントを3つくらい挙げる
- 本の情景描写をていねいに書く
- 「本のテーマの要約」「テーマに対する自分の意見」の2部構成で書く
本論は、序論と結論に挟まれています。気持ちの赴くままに書き過ぎて、本論だけが独立してしまわないように意識して書きましょう。
結論:本を読んだ後の自分【15~20%】
結論とは、文章の締めくくりです。そのため読書感想文では、本を読んで変わった自分の心境の変化を客観的に書きましょう。具体的には次のような内容です。
- 本から得た教訓
- これから挑戦してみたいこと
- これまでの自分の反省
- どんな人物になりたいかという目標
結論の文章量は、全体の15~20%程度が良いでしょう。序論と本論を踏まえたフィナーレとして自分の変化を考察し、言葉を選んでていねいな文章を書きましょう。