ビタミンCが不足しやすい生活とは?
ビタミンCを多く消費する生活を送ると、必然的にビタミンCが不足しやすくなります。ビタミンCが不足しやすい生活として挙げられるのが、不規則や食生活が乱れた生活です。炭水化物と飲み物だけの朝食が続くのも、好ましくありません。ダイエットをしているから食事量を減らしたり、サラダだけなどという偏った食事を続けても、ビタミンC不足を招きます。
このほかのビタミンCが不足しやすいのは、次のような生活です。
【ビタミンCが不足しやすい生活の例】
- 精神的・肉体的ストレスがある
- 激しい運動や重労働の後
- 睡眠不足
- 風邪などの病気中
ビタミンCの上手な摂取方法
ビタミンCを上手に摂取する方法をまとめました。
理想は食事から!旬の野菜を食べよう
日本人はビタミンCの摂取量のおよそ3分の2を野菜から取り入れているとされています。ビタミンCは水に溶けるため、食事からは摂りすぎる心配がありません。ビタミンCが多く含まれている野菜や果物については、こちらの記事で詳しく紹介されています。
野菜や果物は、それぞれの収穫時期によってビタミン量に差が出ることが分かっています。
現在は、味の点ではハウス栽培でも路地ものとの格差がなくなってきました。しかしながら、ビタミンの量には差があるのです。ほうれん草のビタミンC量は食品成分表では、100gあたり65mgですが、旬の11~12月のものには約70mg、6~7月の夏場に収穫したものは約23mgで、夏のものは冬に比べると1/3~1/4しかありません。
(引用元:『ビタミンCについて』|医療法人 清友会)
旬の野菜や果物を積極的に食べることで、効率よくビタミンCを摂取できます。また、ビタミンCは熱に弱く、水に溶けるため、調理による損失が多いもの。そのため次のポイントを守るようにするといいでしょう。
- 生で食べられるものは生で食べる
- 加熱調理は手早く短時間で行う
- 野菜はスープなどにしてまるごと食べる
サプリメントからの摂取も吸収率は同じ
「毎日の摂取が難しいからサプリメントを利用したい」「食品とサプリメントだと吸収量は違うの?」と考える人もいるでしょう。結論から言うと、ビタミンCはサプリメントからの摂取をしても、食物と比較して吸収率や利用率に差はありません。サプリメントを有効に活用するのもおすすめですが、気をつけるべきこともあります。
安全性の確かなものを選ぶ
ビタミンCのサプリメントは、コンビニエンスストアやドラッグストアのほか、インターネットでもたくさん販売されています。サプリメントは体内に入れるものですから、何より安全性を第一に選びましょう。また、サプリメントを使う際には、次のことに注意して選びましょう。
- 製造元が確かなところか確認する
- 持病がある人は、必ず医師に使用許可をもらう
- アレルギーの恐れがあることに留意する
- 服用時は規定量を守る
健康な子供にサプリメントをおすすめしない理由
サプリメントを含む健康食品は、「健康な成人」を対象に製造されていることが多いようです。子供への安全性が調査されていないこともありますし、子供は健康な成人よりも成分の影響を受けやいとされています。中国では、3~9歳まで風邪予防の目的でビタミンCを毎日摂取した子供が尿管結石と診断された事例もあります。
子供は安易にサプリメントに頼らず、果物や野菜などからの摂取を心がけましょう。
参考
子供や10代の若者に向けたサプリメントの安全性について知っておくべき5つのこと | コミュニケーション | 医療関係者の方へ | 厚生労働省
講演資料1:「『健康食品』について 安全な選択をするために(19のメッセージ)」|内閣府 食品安全委員会,P33
まとめ
偏った食事を続けたり、病気などで食事ができなかったりするケースを除いては、ビタミンC欠乏症になる可能性はとても低いことが分かりました。しかし、ビタミン不足は全身の老化をはじめ、気分の低下や疲れやすいなど心身に悪影響を及ぼします。
ビタミンCは食事からの摂取が比較的しやすい栄養素です。バランスの良い食事を心がけ、旬の野菜や果物を取り入れるようにするといいでしょう。
参考
福井透『薬剤師がすすめるビタミン・ミネラルの使い方』(2017年)丸善出版
国民健康・栄養調査(平成29 2017年PDF)|国立健康・栄養研究所
ビタミンCについて (NST栄養ひろばより)| 東北大学病院