ビタミンC欠乏症のリスクがある人とは?
ビタミンCは体内で作ることができないため、食物やサプリメントなどから取り入れる必要があります。とはいえ、必要量を摂取したからといって、楽観はできません。
なぜなら、ビタミンCは生活習慣や環境によって多く消費されることがあるからです。ビタミンCの消費量は人それぞれによって異なります。ビタミンCを多く消費する人は、欠乏症のリスクがあると考えられるのです。
【ビタミンC欠乏症のリスクがある人の例】
- ストレスが多い
- 喫煙者
- 生活が不規則
- 偏食や外食が多い
- 高齢者
- 持病がある(糖尿病、感染症、慢性病、アレルギーなど)
- 都会に住んでいる
ビタミンC欠乏症の予防方法と治療法
ビタミンC欠乏症の予防には、「推奨量のビタミンCを毎日摂取」することが有効です。MSDマニュアル プロフェッショナル版によると、欠乏症の予防に必要なビタミンCの量は次のようになります。
- 女性:75mg
- 男性:90mg
- 喫煙者は35mgを追加する
厚生労働省の「統合医療」情報発信サイトによると、オレンジジュースの4分の3カップに含まれるビタミンCは93mgですから、毎日コップ1杯のオレンジジュースを飲むことで予防できると考えられるでしょう。ビタミンC欠乏症は、主にビタミンCを経口投与して治療するようです。
要注意!ビタミンCは不足しやすい!
ビタミンCは水溶性の栄養素です。熱によって栄養素が破壊されたり、栄養素が水に溶けてしまったりします。そのため、たとえ「ビタミンCが多く含まれる食品」であっても、調理法や保管方法によってはビタミンが大幅に減少することがあります。実際にはビタミンCを思うように摂取できていない可能性があるのです。
この章では、ビタミンCの必要摂取量や実際の摂取量についてデータを基に解説していきます。
必要摂取量と実際の摂取量
ビタミンCの必要摂取量は次の通りです。
ビタミンCの推奨栄養所要量(RDA)
年齢 | 男性 | 女性 |
0~6ヶ月 | 40mg※ | 40mg※ |
7~12ヶ月 | 50mg※ | 50mg※ |
1~3歳 | 15mg | 15mg |
4~8歳 | 25mg | 25mg |
9~13歳 | 45mg | 45mg |
14~18歳 | 75mg | 65mg |
19歳以上 | 90mg | 75mg |
喫煙者 | 非喫煙者よりも1日当たり35mgプラス |
※適正摂取量(AI)
◎妊婦の場合は1日当たり80~85mg
◎授乳婦の場合は1日当たり115~120mg
(ビタミンC | 海外の情報 | 医療関係者の方へ | 厚生労働省 より筆者作成)
ビタミンCを実際の摂取量の平均値を年代別にまとめました。
年代別ビタミンC摂取量の平均値
年代 | 摂取の平均値 |
全体(総数) | 94mg |
1~6歳 | 47mg |
7~14歳 | 70mg |
15~19歳 | 74mg |
20歳以上 | 100mg |
(国民健康・栄養調査(平成29 2017年PDF)|国立健康・栄養研究所 より筆者作成)
ビタミンCが不足すると、どうなるの?
ビタミンCが慢性的に不足すると、欠乏症になることが分かりました。日本では発現するリスクはあまりないとはいえ、安心はできません。ビタミンC欠乏症にならなくても、ビタミンCが不足している状態にあると、体に影響をもたらします。
【ビタミンC不足による影響一例】
- 疲れてぼんやりする
- 気分が低下する
- 風邪にかかりやすい
- 全身の老化促進
- シミやしわができやすくなる
- がんなどの病気が発症しやすくなる