ビタミンC欠乏症とは、ビタミンCが不足し続けた場合に起こる症状をさします。現代の日本では食生活が豊かになったことにより、ビタミンC欠乏症になる人は非常に少ないようです。しかし、人間の体にはビタミンCは必要不可欠。不足すると体にどのような影響があるのでしょうか。当記事では、「ビタミンCが不足したらどうなるのか」を徹底解説します。
もくじ
ビタミンC欠乏症とは?
ビタミンC欠乏症について詳しく解説していきます。
ビタミンC欠乏症の発現は日本ではとても少ない
ビタミンC欠乏症は、ビタミンCをほとんど摂取しない状態(1日10mg以下)が何週間も続いた時に発現する症状を指します。2017年の国民健康・栄養調査によると、国民の平均摂取量は94mg。中央値は74mgで、基準をクリアしている日本人は多そうです。
事実、ビタミンC欠乏症や欠乏症の典型的な症例である壊血(かいけつ)病の発現は、日本を含む先進国ではまれです。食生活が豊かではなかったり、偏りがあったりする地域の人々で発症しているようです。
参考
ビタミンC | 海外の情報 | 医療関係者の方へ | 厚生労働省
ビタミンC欠乏症の兆候と症状
ビタミンCをほとんど摂取しない日が続くと、1ヶ月以内に欠乏症の兆候が現れるようです。主な欠乏症の兆候は以下の通りです。
【ビタミンC欠乏症の兆候】
- 疲労感や倦怠感
- 歯ぐきからの出血
- あざができやすくなる
- 肌荒れがひどくなる
- 頭痛
- 肩こりなど
ビタミンCが欠乏している状態が数ヶ月続くと、欠乏症の症状が出ます。まずは、ビタミンC欠乏症の典型的な症例である壊血病の症状をご紹介しましょう。
3–12か月に及ぶ長期・高度のビタミンC欠乏により、脱力や体重減少、鈍痛に加え、出血(皮膚・粘膜、歯肉)、歯の脱落・変化、創傷治癒の遅れ、低色素性貧血、易感染性、古傷が開くなどの症状がみられる。 成人では生野菜の摂取不足や長期間の感染症・熱病の後に起こり、大航海時代は太洋を航海する船中でよく発症し、致死的であることから恐れられた。
(引用元:壊血病|一般社団法人 日本血栓止血学会)
壊血病は治療せず放置することで死に至る、恐ろしい病です。また、ビタミンC欠乏症には、壊血病以外にも倦怠感や筋力の低下、体重減少などの症状がみられます。ただし、これらは大人の症状です。子供は症状が異なりますので、気をつけましょう。
【ビタミンC欠乏症の症状(小児の場合)】
- 出血や血種
- 骨組織の形成不全
- 骨折や骨の変形
- 歯の発生障害など
参考
ビタミンC – 09. 栄養障害 |MSDマニュアル プロフェッショナル版
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