分数の割り算の考え方と解き方「なぜ割る数を逆数にしてかけるか?」

この式をどう解きますか? 「分数どうしの割り算は割る数をひっくり返してかける」という分数の割り算のルールは、多くの人が小学生のときにたたき込まれたでしょう。

上の式が正しいことが分かっても、なぜひっくり返してかけるのか、どれだけの人が答えられるでしょうか? 子供に分数の割り算を教えようとして、思わず戸惑う人もいるでしょう。小学生の子供に教えられるよう、分数の割り算の考え方と解き方を徹底的に解説します。

分数の割り算の考え方「なぜ割る数を逆数にしてかけるのか」

ジュース1杯作るのに必要なリンゴの数は?

4/3÷4/9とは、何を意味するのでしょうか? 仮分数を帯分数に置き換えると、4/3は1と1/3になります。数字の羅列だけではピンと来ないので、この式を表す問題文を考えてみましょう。

朝食の残りのリンゴでジュースを作ることにしました。残っているリンゴの数は、リンゴ1個と1/3切れです。全部使ってジュースを作ったら、コップに4/9杯分のジュースができました。1杯分のジュースを作るには、リンゴが何個必要でしょうか。

この問題文が正しいかどうか検証するために、もっと簡単な整数に置き換えてみましょう。6個のリンゴで2杯分のジュースがとれる場合、1杯分のジュースを作るのにリンゴが何個必要でしょうか。

6÷2=3

迷わず、6÷2の式が導き出せ、答えが3個と分かったことでしょう。冒頭の式は、6個のリンゴを4/3個に、2杯のジュースを4/9に置き換えただけなので、問題文が正しいことが分かります。

まず、1/9杯分のジュースに必要なリンゴの数を求める

問題文が正しいことが分ったら、さっそく解いてみましょう。4/9杯分のジュースに必要なリンゴの数が4/3個なら、1/9杯分のジュースに必要なリンゴの数はすぐに出そうです。1/9は4/9の1/4なので、以下の式で求められます。

よって、1/9杯分のジュースに必要なリンゴの数は1/3個となります。

1杯=9/9杯分のジュースに必要なリンゴの数は?

では、1杯分のジュースに必要なリンゴの数はいくつでしょうか? 1/9杯分の答えは出ているので、比較しやすいように分母を揃えて考えましょう。1杯分のジュースとは、つまり9/9杯分のジュースと置き換えることができます。

ここまで来ると簡単です。9/9杯のジュースは、1/9杯の9倍です。1/9杯分のジュースを作るのに必要なリンゴの数は1/3個なので、1/3に9をかければ、9/9杯分=1杯分のジュースに必要なリンゴの数が求められます。

答えは、3個です。

式に置き換えて考える ①シンプルなかけ算で表す

今考えた内容を、1つの式で表してみましょう。

整数の9を分数に置き換えると、9/1になります。したがって、下のようになります。

さらに、右側の式の分母と分子両方にある1を省略すると、私たちが小学校の頃に習った公式になります。

式に置き換えて考える ②分数の分数で表す

もう1つの方法は、分数の割り算を、分数の分数に置き換える式です。まず、分数の割り算がなぜ分数の分数に置き換えられるのかを考えるために、整数に置き換えて考えてみましょう。先ほど例に出した問題です。6個のリンゴで2杯分のジュースがとれる場合、1杯分のジュースを作るのに何個のリンゴが必要かを、分数の式に直します。

つまり、分数は割り算であり、分母は割る数、分子は割られる数を表します。それなら、最初の分数の割り算も、分数の分数で表せることが分かるでしょう。

このような分数の分数を、繁数(はんすう)と呼びます。複雑に見えますが、解き方は整数の割り算と同じです。

問題をもう一度思い出してみましょう。リンゴ4/3個で4/9杯のジュースがとれる場合、ジュース1杯あたりリンゴが何個必要かです。求めたいのは、ジュース1杯当たりのリンゴの個数なので、4/9杯の部分が1杯になるように考えたらよいのです。4/9を1に置き換えるためには、4/9の逆数9/4をかけてあげます。分母に9/4をかけたら、分数の比率を保つために分子にも同じ数をかけてあげます。したがって、以下の式に置き換わります。

分母が1になると消えるため、分子だけが残ります。したがって、こちらも小学校で習った公式のとおり、4/3÷4/9は4/3×9/4となります。