子育てに疲れてしまう原因
愛くるしい子供と一緒にいられるはずの父親や母親がなぜ疲れているのかを理解できない方もいるかもしれません。なぜ、子育て世代の親は疲れてしまうのでしょうか。その原因を順番に見ていきましょう。
原因1:夜中にぐっすりと眠れない
アメリカのNATIONAL SLEEP FOUNDATIONが健康的な推奨睡眠時間(How Much Sleep Do We Really Need?)を研究した結果、18~64歳は7~9時間の睡眠が必要であると分かりました。
しかし、「お子さまの健やかな未来を応援する会」が運営するハッピー・ノートドットコムが行った「ママはぐっすりねむれていますか?」という投票結果を見ると、睡眠不足を感じている母親が84.1%もおり、さらに母親の1日の睡眠時間が7時間以下の母親は79.1%もいることが分かりました。そして睡眠不足の原因のうち、育児が起因の具体例を挙げています。
- 子供の夜泣きや寝ぐずり
- 子供の寝つきが悪い
- 仕事と家事・育児の両立
- 子供のおねしょやトイレ
これらの原因から見て取れるように、睡眠不足を強く感じているのは特に0~1歳の子供を持つ母親であることが分かっています。
子供が夜泣きをする時期は、両親とも断続的な眠りしか取ることができません。子供が2歳ごろになると夜泣きが収まり継続した眠りを取れるようになりますが、幼稚園に入り早朝のお弁当作りや仕事への復帰により睡眠時間を取れない親が多くいます。
原因2:休憩時間がない
ベネッセ教育総合研究所が実施した「0-1歳児の母親・父親の子育て意識・生活」調査において、父親と母親の平日・休日の自由時間を調べた結果は次の通りでした。
平日、自由に過ごせる時間は、母親・父親ともに半数以上が「1時間未満」。休日はやや
増えるものの、「3時間以上」の比率は母親7.3%、父親26.3%と違いがある。
(中略)
家事・子育ての負担感や、「自由にできる時間が十分にとれない」という気持ちは、母親の6~8割が感じている
(引用元:0-1歳児の母親・父親の子育て意識・生活|ベネッセ教育総合研究所、P14)
自由な時間が十分にないということは、好きなことをして気分転換をしたり、気持ちを整理してリラックスする時間がないということです。休憩が取れないと、いずれ子育てに疲れてしまいます。
原因3:予定通りにすすまない
アメリカ科学振興協会が発行している学術雑誌『Science』では、2010年に人間の脳はデュアルタスクが限界という仏研究者の発表を掲載しました。
The human frontal function seems limited to driving the pursuit of two concurrent goals simultaneously.
(引用元:Divided Representation of Concurrent Goals in the Human Frontal Lobes(ヒト前頭葉における同時目標の分割表現)|Science)
つまり、人は同時に処理できる作業は2つまでということです。
しかし、子供は親にとって予測不可能で、かつ、すぐに解決しなければならないことをいくつも起こします。そのため、予定していた家事や用事が後回しになってしまうことがよくあります。1日のスケジュールが狂ってしまうと、親はいろいろと片付かないことにイライラしてしまい、子育てに疲れてしまいます。