病院で処方される咳の薬
子供が咳をしていて苦しそうなとき、早く鎮めて楽にしてあげたいと思うのは親として当然です。しかし、医師は病状から判断し最適な薬を処方するため、咳止めや抗菌薬(抗生物質)が処方されない場合もあることを知っておきましょう。処方された薬やその使い方について医師に質問しても失礼にはあたりません。子供の看病をするためにも必要なので、しっかりと確認しましょう。
対症療法
咳の症状を和らげるために行う治療です。咳の原因に応じて咳止めや解熱薬を使用します。
風邪を引いて咳が出ていても、咳のタイプによっては咳止めが処方されない場合があります。その理由として、保健師、助産師、看護師・准看護師が自主的に会員となり運営する職能団体公益社団法人埼玉県看護協会は次のように説明しています。
咳が出るからと言って、市販の強い咳止めを飲ませて咳を止めてしまうことは、かえって症状を長引かせたり、重くしたりすることにもなりかねません。
(引用元:子どもの病気とその対応-3|公益社団法人 埼玉県看護協会)
一般に、咳止めが処方されるのは「コンコン」と痰が絡まない乾いた咳をしているときです。反対に咳止めが処方されないのは「ゼロゼロ」と痰が絡んだ咳をしているときで、咳止めではなく痰が出やすくなる去痰剤が処方されます。咳の状態をよく観察して対処しましょう。
原因療法
咳の原因が細菌感染である可能性が高いと考えられる場合は、原因となっている細菌に有効な抗菌薬(抗生物質)を使って治療します。
喘息発作の揚合は咳止めを使用しない
喘息発作の場合の咳止めの使用について、日本国内の大手製薬会社で、処方箋医薬品と医薬品を主とする製薬企業であるシオノギ製薬では、喘息発作の場合の処方薬について次のように説明しています。
喘息発作の揚合、薬によって咳を止めてしまうと、痰を排出できなくなり、溜まってしまった痰が気管支の内側をさらに狭くして、逆に苦しくなってしまうからです。こんなときは、咳止めは使用せず、痰を取り除く薬(去痰薬)や気管支を広げてあげる薬(気管支拡張薬)を用います。
(引用元:こどもの咳のおはなし ~お子さんの咳について知っておきましょう 病気の知識 患者・ご家族の皆さま | シオノギ製薬(塩野義製薬))
喘息発作はさまざまなきっかけで起こります。日ごろから発作が起こったときの対応について医師とよく相談し、自ら対処できるようにしておくことが大切です。発作の程度の見極めと対処方法について、下記参考サイトに詳細が載っていますのでご覧ください。
参考
発作が起こったら…|成人ぜん息(ぜんそく、喘息)|ぜん息基礎知識|ぜん息などの情報館|大気環境・ぜん息などの情報館|独立行政法人環境再生保全機構