子供の空想癖は病気?プーさんから考えるイマジナリーフレンドの必要性

子どもの空想癖は病気?プーさんから考えるイマジナリーフレンドの必要性

幼少期の子供を育てていると、空想上の世界で遊んでいる場面に遭遇することも珍しくありません。「自分の子供には何か違う世界が見えているのかもしれない……」と不安になるかもしれませんが、子供が持つ空想癖の多くは、大人へ成長する過程でなくなります。

子供の空想に決まった人物、友達が登場する場合、その人物は『イマジナリーフレンド』と呼ばれる空想上の友達です。この記事はイマジナリーフレンドに関する基本情報と、イマジナリーフレンドはなぜ発達過程で現れるのかについて、ディズニーの名作『くまのプーさん』を例にして解説します。

空想とは

空想とは、一般的に以下のような意味で使われます。

現実にはありそうにもないことをあれこれ頭の中で想像すること

(引用元:空想(くうそう)とは|コトバンク

空想が習慣化していること自体は問題ありません。社会に大きな変革を与える起業家や、人の心を魅了する作家・芸術家の多くは空想癖を持っています。しかし、空想と現実の区別がつかなくなっている場合には注意が必要です。

イマジナリーフレンド(IF)とは?

イマジナリーフレンド(IF)とは?

本人にしか存在が分からない友達

イマジナリーフレンド(IF:Imaginary Friend)とは本人にしかその存在が分からない空想上の友達のことです。幼少期の子供にはよく出現すると言われています。

イマジナリーフレンドは人形やぬいぐるみ、アニメのキャラクター、実在する人物などさまざまなパターンがあります。イマジナリーフレンドがどの程度具現化しているかは子供によって差があり、ぬいぐるみに話しかけるだけの子供もいれば、イマジナリーフレンドの姿や声をはっきり認識できる子供もいます。

イマジナリーフレンドを持つ子供の心理

イマジナリーフレンドを持つ子供は、以下のような特徴を持つことが多いとされています。

自分を認めてくれる存在が欲しい

自分の存在を誰かに認めてほしいという「寂しさ」、「承認欲求」からイマジナリーフレンドを持つことがあります。自分の行動や言動、人格を否定されることが多いと、自己肯定感を高めるためにイマジナリーフレンドを生み出すこともあるようです。

自己肯定感が高い・低いってどういう意味?

コンプレックスを抱えている

自分の容姿や性格、能力に何かコンプレックスを抱えていると、理想の自分としてイマジナリーフレンドが現れることがあります。イマジナリーフレンドがモチベーションとなって活力が湧いている場合は問題ありませんが、理想と現実のギャップに苦しむ場合には注意が必要です。

話を聞いてくれる友達が欲しい

友達の数が少なかったり、いつも聞き役になっていたりする場合、自分の話を聞いてくれる友達欲しさから、イマジナリーフレンドが生まれることがあります。ぬいぐるみとの会話がもっとも典型的な行動です。

親に自分のことを褒めて欲しい

親に怒られたり責められたりすることが多く、あまり褒められる機会が少ないと、親の代わりに自分を認めてくれる存在欲しさからイマジナリーフレンドが生まれることがあります。「子供は褒めて伸ばす」と言いますが、褒めることで自己肯定感が形成され、色々なことにチャレンジできるようになります。

褒めることが子供に与える影響と上手に褒めるための5つのコツ

もっと強い自分になりたい

「成長したい」、「もっと強い自分になりたい」という気持ちから、自分を励ましたり守ってくれたりする存在としてイマジナリーフレンドが現れることもあります。またイマジナリーフレンドとタッグを組むことで強くなる場合もあり、チームとして強くなるためにイマジナリーフレンドが生まれる場合もあるようです。

大人になるといなくなる

通常、イマジナリーフレンドは大人へと成長する過程で自然といなくなります。心身が成熟するに連れて人に頼る必要がなくなって自分に自信が持てるようになるので、イマジナリーフレンドが必要なくなるからです。

プーさんはイマジナリーフレンドだった?

ウォルト・ディズニーによる人気アニメーション作品『くまのプーさん』に登場するキャラクターとして有名なプーさんですが、実は主人公のクリストファー・ロビンのイマジナリーフレンドです。『くまのプーさん』のあらすじをイマジナリーフレンドの視点から説明します。

プーさんはクリストファー・ロビンのイマジナリーフレンド

幼い頃のクリストファー・ロビンは想像力豊かな男の子で、子供部屋の中はいつも彼の好きなもので溢れていました。その中でも特にお気に入りだったのが、黄色いクマのぬいぐるみ。彼はそのぬいぐるみに「プー」という名前をつけて、『100エーカーの森』という架空の森でよく一緒に遊びました。100エーカーの森にはプー以外にも仲間たちがいて、彼は森に住むみんなと毎日楽しく遊んでいました。

プーとのお別れ

月日が流れ、クリストファー・ロビンも学校に通う年齢になりました。学校へ通う前は毎日空想にふけるクリストファー・ロビンでしたが、学校に通い始めると空想できる時間がなくなることを知ります。そこで彼はプーと森の仲間たちに別れを告げ、自分の現実へ向き合うようになります。

『くまのプーさん』は子供から大人へと成長するお話

クリストファー・ロビンがプーとお別れする描写は、「自分の空想世界とお別れをして現実と向き合う」=「子供から大人へと成長する」ことを表現していたとも解釈できます。『くまのプーさん』はクリストファー・ロビンと100エーカーの森の仲間たちが楽しく遊ぶ物語と思われることが多いですが、クリストファー・ロビンの心の成長を描く物語でもあります。

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