お年玉にまつわるマナー
お年玉は新年のお祝い事です。通常の冠婚葬祭とは異なり、家族間のお祝いごとであるため、厳密なルールというものはありません。ただし、お年玉をあげる際には気を付けたいマナーがあります。義実家などでお年玉をあげるときに「マナーを知らない」と思われないよう、以下の3点には注意してください。
ポチ袋に入れよう
子供にとってお年玉は金額がすべてと言っても過言ではありません。お年玉の入っているポチ袋に注意を払っていることは少ないかもしれませんが、お年玉をあげるときは、きちんとポチ袋に入れるようにしましょう。
ポチ袋の「ポチ」には、関西の方言で「祝儀」や「心づけ」という意味があります。もともとは舞妓さんに渡すお祝儀袋のことをポチ袋と呼んでいたといわれています。
ポチ袋の表面には、「●●ちゃんへ」「●●君へ」などと宛名をハッキリと書き、誰に宛てたものなのかを明確にします。裏には「●●より」と誰からのものなのかを書くことも必要。これは名前を書くことで、渡す相手への気持ちが込められていることを表します。お年玉は気持ちのやり取りです。子供に渡したとしても親が預かることも多いので、きちんとマナーは守るべきです。
また、最近ではかわいいポチ袋や面白いポチ袋、手作りポチ袋にお札を入れて渡す人も増えています。お年玉のポチ袋についてはcocoiroでもいくつか記事にしているので、あわせてご覧ください。
新札を用意しよう
お祝いごとのご祝儀には必ず新札を使用しますが、これはお年玉も同じことです。必ず新札を入れるようにしましょう。近年ではお札を折らなくてもいい大きさの袋もありますが、お札を折る場合、折り目がたくさんついているような、しわがついたものはNGです。
- 表面が内側になるようにお札を正面に持つ(千円札の場合は描かれている顔が右側に来るように)
- 左側→右側の順に三つ折りにする(顔の方を後に折る)
- ポチ袋に入れるときはお札が逆さまにならないように入れる。
これがお年玉のマナーです。くれぐれも汚れたお札を入れたりすることがないよう、面倒でも新札に両替をしてください。銀行の窓口で行うこともできますが、銀行の店舗によっては両替機で新札に交換することもできるので、早めに準備するようにしましょう。
お年玉のマナーやお札の折り方、袋への入れ方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
金額の数字に注意!
お年玉は一種のご祝儀です。縁起の悪い数字の金額を入れることは絶対に避けましょう。
- 4:「よん」は「し」とも読めるため、「死」を連想させる。
- 9:「きゅう」は「く」とも読めるため、「苦」を連想させる。
半端な数字なのでわざわざこの金額を入れることは少ないと思いますが、注意が必要です。
またお年玉の相場というものもあります。特にこれといったきまりはありませんが、親戚で集まる場合などは、あらかじめ話し合ってどのようなルールにするのかを決めておくといいでしょう。
- お年玉をあげる年齢はいくつまでかをハッキリとさせる。
- 小学生は2,000円・中学生は3,000円・高校生は5,000円など金額を決めておく。
お金の話ではありますが、金銭の過不足があると後でトラブルに発展することも考えられます。またお互いの家の子供の数などによってもシチュエーションは異なるので、親同士で話し合っておくのが一番安心です。
お年玉の相場や平均金額については、こちらの記事で詳しく解説しています。
親の前であげる
親戚でも自分の家の子供がお年玉をもらったことに対するお礼は必要……最低限の礼儀といえます。特に小さい子供の場合は、親がお年玉を管理することが多いので、できる限り親のいる前で「ありがとう」という気持ちを込めてお年玉を手渡すようにしましょう。
特に相手の家の子供よりも自分の家の子供の数が多い場合などは、「ありがとうございます」と直接伝えることも大切です。
まとめ
お年玉は子供にとってはとても楽しみなものです。大人としては子供の健康や成長を願って、渡してあげたいもの。みんなが気持ちよく過ごせるために、最低限のマナーを知っておくことはとても重要です。
お祝い事ですから、マナーを守っていなくても直接文句を言われることはありませんが、気まずくなってしまったり、「あの家は……」なんて後ろ指を指されるのは気持ちの良いことではありません。本来のお年玉の由来を知り、金額だけではなく、子供への祈念であることを忘れないようにしてください。
参考
お年玉の由来と御歳神について|葛木御歳神社公式ホームページ
お年玉の入れ方にもルールはありますか | 専門家プロファイル
お年玉|語源由来辞典
お年玉はいつからはじまった?意外と知らないお年玉の歴史とは?|ママズアップ