児童虐待はなぜ減らない?虐待が起きる原因と理由の実態とは? ( 3 )

どうして起こってしまう?児童虐待の原因とは

どうして起こってしまう?児童虐待の原因とは
それでは児童虐待はどうして起こってしまうのでしょうか。今回はその原因を3つご紹介します。

公的機関で望んだ助けを受けられない

子供への虐待行為については、地方自治体や国から支援策がいくつか提供されています。我が子に虐待をしてしまうことに苦しみ、行政の助けを求めて機関の窓口へ駆け込む親もいるでしょう。

しかし、相談した際に起こる問題についてNPO法人「親子法改正研究会」の井戸まきえ代表理事は以下のように述べています。

あちこちの窓口に行かされては何度も同じ話をさせられたあげく、上から目線の言葉を浴びせられ、望む支援は拒絶される。まるで「厄介者」扱い。

(引用元:日本から「児童虐待」が絶対なくならない理由といま必要な10の対策|現代ビジネス

もちろん、行政側も解決に努めようとさまざまな対応をしてくれています。しかし前例がないなど対応方法の判断に時間がかかることもあり、相談の窓口をいくつも訪問しなければいけないことがあるのです。そして、状況を説明するために同じ話を何度もし合うこともあるでしょう。

担当者を案内されるまでの間であっても、親子の関係は続いています。解決したいのに迅速な対応を受けられない親子の苦しみが、児童虐待の解決を遅延させてしまっているかもしれません。

また、育児に関する知識が不足していることもネグレクトが起こる原因の一つになります。ネグレクトする母親の特徴について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

ネグレクトをする母親の特徴とは?ネグレクトの原因についても解説

良い親を演じるために子供を操りたい

児童虐待が起こってしまう原因について、著書に『児童虐待から考える 社会は家族に何を強いてきたか』(朝日新書)を持つ杉山春さんは以下のように述べています。

良い親か悪い親かだけをジャッジするような社会では、虐待はより発覚しにくく深刻化する

(引用元:結愛ちゃん虐待死「ひどい親」と批判しても事件は減らない 「評価」に追い詰められる親たち|AERA dot.

「良い家庭」や「良い親」とはどんなものを指すのか、その捉え方は人によってさまざまです。しかし失敗をすることで、親が周囲から強いバッシングを受けてしまうことがあります。その結果、ストレスを抱えながらも「良い親」を演じ続けようと無理をしてしまう親がいるのです。

例えば子供が外出しているときに近所の人にあいさつをするとします。するとあいさつをされた側の人は「とてもいい子ですね」、「よく教育されていますね」など、親子を褒める言葉をかけることがあるでしょう。このように周りの人に認められるような行為をとることを子供に強要し、執拗にしつけようとしてしまう可能性があります。

「しつけ」としての暴力が過激化する

しつけの強要は、時に暴力を生んでしまうこともあります。幼い子供の中には、思うような行動が瞬時にできない子供もいるでしょう。その姿に苛立ちを覚えてしまう親もおり、その怒りが身体的な暴力や心理的虐待につながってしまうと考えられます。

親が「良い親」であると周囲に見られるためには、子供を「良い子供」にしなければいけないと考える人もいるでしょう。すると、親の思う「良い子供」の行動ができなかった場合、罰として子供に何らかの暴力をふるってしまう可能性があるかもしれません。

児童虐待の報道を見ていると、保護者の主張として「しつけのつもりだった」という言葉が口にされることがあります。これらは「良い親」や「良い子供」を演じようとするあまりに、暴力を「しつけ」だと思い込んでしまっている可能性があるでしょう。