モンスターペアレントが生まれる背景とは?事例や注意点を紹介 - cocoiro(ココイロ)

モンスターペアレントが生まれる背景とは?事例や注意点を紹介

ニュースなどで「モンスターペアレント」という言葉を1度は耳にしたことがあるかもしれません。モンスターペアレントはどのような背景で生まれ、これまでにどのような事例があったのでしょうか。子供を持つ親にとって、他人事とは言い切れないモンスターペアレントについて、今回はご紹介します。

モンスターペアレントについて

学校側に対して無理な要求をしたり、理不尽な発言を繰り返すことで知られるモンスターペアレント。親なら子供の学校生活に関心があるのは当然ですが、そもそも理不尽な要求とはどのようなもので、モンスターペアレントにはどのような特徴があるのでしょうか。近年では教員にとって精神的負担の要因ともいわれているモンスターペアレントの特徴について解説します。

モンスターペアレントとは?

モンスターペアレントとは、簡単に言えば、学校の指導方法や子供の成績が上がらないことについて、学校や塾に過剰な要求をしたり、要望を出したりする親のことを言います。中には学校だけでなく、自治体の教育委員会などに押しかけたり、ネット上でクレームを書き込み、風評被害を狙う手口もあります。

モンスターペアレントと普通の保護者の違い

モンスターペアレントと正当な要求をする親との違いとは、いったい何なのでしょうか。親が学校に対して要求するときは、「子供の成長のため」という思いから、学校の教員や塾の講師が処理できる内容について冷静な話し合いを要求することはあるかもしれません。しかし、モンスターペアレントの場合は「過剰」な要求をするのが特徴として挙げられます。

例えば、「あの子とうちの子は別のクラスにしてほしい」と要求したり、「学校の成績が良くないのは教え方が悪いからだ。責任を取ってほしい」といった理不尽な要求をするのがモンスターペアレントの特徴です。

モンスターペアレントの存在は教員の心の病に影響する

モンスターペアレントの問題は、2000年以降社会問題としてたびたび取り上げられており、保護者の過剰な要求や態度は教員の精神的なストレスにも結びついていると言います。
平成29年度に実施された、文部科学省による「過労死等に関する実態把握のための労働・社会面の調査研究事業」の調査報告書によると、教育職員の心の病による病気休職者数は、平成28年度から増加していることがわかります。

教育職員の精神疾患による病気休職者数(平成29年度)
○教育職員(※)の精神疾患による病気休職者数は、5,077人(全教育職員数の0.55%)で、平成19年度以降、5,000人前後で推移しており、平成28年度(4,891人)から増加。

(※)公立の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校における校長、副校長、教頭、主幹教諭、指導教諭、教諭、養護教諭、栄養教諭、助教諭、講師、養護助教諭、実習助手及び寄宿舎指導員 (総計920,760人(平成29年5月1日現在))

(引用元:平成29年度公立学校教職員の人事行政状況調査について|文部科学省

保護者からの教育内容に対する要求が高まったことから、通常の業務に専念できる時間が減り、その分長時間勤務することになったりするなど、教員たちが身体的にも精神的にも負担を感じていることが考えられます。

「子供の成長」のためには親と学校の先生との連携が大切です。
先生の指導法や指導の幅などを理解しておくことも、連携するための一助になるかもしれません。
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