高専とはどんな学校?特徴・学費・学習内容・進路について徹底解説! - cocoiro(ココイロ) - Page 3

高専に入学するメリット・デメリット

高専は普通高校とは大きく違う環境になります。学歴やその後のキャリアにも大きく影響することになるので、選択は慎重にした方がいいでしょう。ここでは高専に入学するメリットとデメリットを4つずつ紹介します。

高専に入学する4つのメリット

就職率がほぼ100%と高い

高専卒業生は、就職率がほぼ100%と高い数値を誇っています。大学を卒業しても就職できない人がいる中で、高専卒業生は就職できないことはほとんどありません。

文部科学省は平成18年3月に「 高等専門学校のあり方に関する調査」を行いました。調査によると、就職先企業の7割が高専卒業生に満足しているというデータも算出されており、日本産業のニーズに迅速に対応できるという観点から海外からも高い評価を得ています。

高専生の就職についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

高専卒は就職に有利ってほんと?気になる大卒との違いや卒業後の進路

専門分野の知識が身につく

高専は5年間一貫教育を掲げており、高校1年生から専門科目を勉強することができます。勉強は座学だけではなく、実験や実習も授業の中に多く含まれています。

例えば、電気工学の分野では、コンピュータやロボット、半導体や光通信に関する実験、実習が行われ、実際に目で見て触れることで電気工学に関する知識や理解を深めていくことができます。

大学進学・編入が可能

高専で勉強し、さらに勉強や研究をしたいという人のために、卒業後は大学3年次から編入することができます。大学の編入試験は、ほとんどの国公立大学で実施されており、受験日が被らない限り全学部受験することができます。

また、ほかの大学も受験日の重複がなければ何校でも受験でき、保険として5〜6校受験することも可能です。大学編入試験は受験科目も少なく、1〜2科目のみというところもあり、受験科目を絞って勉強することができます。

大学と比べて学費が安い

文部科学省のデータによると、国立大学の入学金は282,000円、授業料は535,800円と算出されています。

一方、高専の年間授業料は234,600円ですが、文部科学省の「高等学校等就学支援金制度」により、高専1~3年生の間は年額118,800円分補助されます。

高専卒業後に大学進学すると仮定すると学費は以下のようになります。

国立高専5年+国立大学2年 公立高校3年+国立大学4年
84,600円(高専入学金)
+115,800円(1~3年の授業料)✕3年
+234,600円(4~5年の授業料)✕2
+282,000円(大学入学費)
+535,800円(大学授業料)✕2
約225万円
6,000円(高校入学金)
+0円(高校授業料)✕3年
+282,000円(大学入学費)
+535,800円(大学授業料)✕4
約243万円

教科書代などの諸経費は入っていませんが、大学4年生まで進級する場合、高専経由での進学は単純計算で約18万円安くなります。

高専に入学する4つのデメリット

進級できない学生が多い

高専は進級できずに留年する学生が多いようです。理由としては、学生生活が自由な点です。授業の欠席や課題の出し忘れなど、自分自身を律することができず、勉強を疎かにしてしまう学生が多くいます。

高専生の留年についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

留年が多いって本当?高専で留年しないためにやっておきたいこと

大学卒業生と比べると給料が低い

高専卒業生は大学卒業生と比べ、給料が低い傾向にあります。

初任給に関しては、大学卒業生と高校卒業生の中間くらいに位置し、高専卒業よりも大学卒業という学歴を重視している企業が多いためです。

ただ、近年では学歴よりも実力を重視する時代へと変化してきたため、学歴による給料の差額は年々減少しています。

課題やレポートが多い

高専は課題やレポート、テストが多いです。授業は座学だけではなく、実験や実習なども多く、理解度を確認するために課題やレポートが課されます。

数多くの課題やレポートをこなすことは大変ですが、次第に知識や実力がつき、社会に出て活躍できるスキルを身につけることができます。

進路変更が難しい

高専では、入学前にどの学科に進学するかを決めて入学します。

学校側も1つの教室に許容できる人数を制限しているため、他の学科からの生徒を増やすことに難色を示します。

ある高専では学部変更を希望する場合、1度退学してから再入学する必要があると言います。高専に入学する際は、高専のオープンキャンパスやパンフレットなどで、学科の授業内容などをしっかりと確認するようにしましょう。