わが子の進路は親にとって自分のこと以上に重要な問題でしょう。中学校からの進学先の1つに、高等専門学校(高専)があります。高校よりも学ぶ年数が多く、大学に3年生として入る高専出身の生徒も多いものですが、その全貌を知らない人も多いようです。高専とはどんなところでしょうか。高専で学べる内容や卒業後の進路、大卒との違いなどを説明していきます。
もくじ
高専とはどんなところ?
高専の正式名称は、「高等専門学校」というもの。中学校の卒業生を受け入れるところは、高等学校と同じです。
高等学校との違い
高等学校と一番異なる点は、5年間(商船高専は5年半)の一貫教育を行う高等教育機関であることです。現在日本全国に、国立高専が51校、公立、私立と合わせて57校が存在。数が少ないため、通学圏内に運よくあるということは少ないのではないでしょうか。
比較的遠隔地にあることから、各高専には、学生寮が完備されています。学生の半数以上が寮で生活しています。高専では女子学生の受け入れに積極的で、女子寮が完備されているようです。
また、3年修了時に所定の単位を満たしている場合、高校と同等の資格が認められます。その時点で、大学への進学することが可能です。高専卒業時(5年修了)には、「準学士」の肩書が与えられます。
専門学校との違い
高専は、特定の範囲の技術だけを学ぶ専門学校(「専門課程」を置く専修学校)とは大きく異なります。高専は、大学と同じ高等教育機関で、1年次から専門学科に配属されますが、5年の長い時間をかけて幅広い教養科目と体系的にまとめられた専門科目を学ぶことができます。
また、一般的に専門学校と呼ばれている学校(「専門士資格」を取得出来る専門学校)については「高校卒業」もしくは「高校卒業と同程度の学力=高認」が入学条件になります。また専修学校では「中学卒業」でも入学できるところもあります。それに比べ、高専は中学卒業が入学条件であるため、早くから専門分野を学ぶことができます。
どんな専攻があるの?
大きくは「工業」「商船」「それ以外」と分けられます。さらに「工業」は、「機械系」「情報系」「電気系」「建築系」「化学系」と細分化されています。57校のそれぞれの学科に特色があります。受験時に専攻を選ぶため、1年生の時から、専門分野の学習をスムーズに始めることができます。