不登校など様々な事情で学校へ通えない場合に、選択肢の1つとしてあるのが「フリースクール」です。けれど実際にはフリースクールがどんなところなのか知っている人は少ないのではないでしょうか? フリースクールはどんなところなのか、またなかなか活用されづらい理由やフリースクールの6つのタイプ、通った後の進路のことなどを解説します。
もくじ
フリースクールとはどんなところ?
様々な事情で通常どおり学校への通学ができない子供たちが利用するフリースクールですが、実際にはどのようなところなのでしょうか?
国によって違うフリースクール
一口にフリースクールと言っても、その意味合いは非常に多岐に渡ります。同じ「フリースクール」という呼称であっても、国によってかなりその内容は異なるのです。実際に海外の国々では「フリースクール」は下記のような学校のことを指しています。
アメリカ
- アメリカの授業料無償の公立小学校
- フリースクール協会に加入する人道主義に基づく低所得者のための授業料無償の学校
イギリス
- 生徒が自主性を持って、学校のスタッフと一緒に自分たちでルールを決めながら生活する学校
イギリス・アメリカ
- オープン・エデュケーション(講義や教材などをインターネットを使って広く一般に配信する)を行っている学校
日本
- 不登校の子供が通う非学校的な施設
同じ「フリースクール」という名前でも、「自由」という意味合いを持ち合わせている学校と、「無償」という意味を持っている学校があることがお分かりいただけるかと思います。
日本におけるフリースクールとは?
日本においてのフリースクールとは、前述したとおり主に通常の学校へ様々な事情で登校することができなくなってしまった子供が通う施設のことを指します。
フリースクールの規模や、スクールで行われる活動内容はそれぞれのフリースクールごとに異なっています。マンションや事務所ビルの一室を借りて、スタッフや子供を合わせても10人に満たない小規模で運営が行われているものから、在籍数が100人を超える大規模なものまであります。そのため、フリースクールごとに教育のレベルに差が出てしまっているのが現状です。
フリースクールは一般的に民間において自主的に設置・運営されています。平成27年の3月に文部科学省が実施した「不登校児童生徒による学校以外の場での学習等に対する支援の充実 ~個々の児童生徒の状況に応じた環境づくり~」調査では、フリースクールに在籍している小学生・中学生の子供の数は、全国で約4,200人となっています。これらフリースクールへ通う子供たちは、個別の学習や相談・カウンセリング、また社会体験や自然体験などの体験活動、授業形式による学習などを受けて生活をしています。
自治体によってはフリースクールへ通学することにより、小学校・中学校をきちんと卒業したことになるところもあるため、様々な事情で学校への通学が難しい子供にとっては選択肢の1つとなりえます。