反抗期がない理由
反抗期は、自我が著しく成長する時期でもあります。自分の気持ちを態度として示すことで、自分はどうしたいのかと考えを整理し伝える経験を積み重ねています。しかし、中には我が子に反抗期が訪れないことを悩んでいる親もいるでしょう。
反抗期がない子供の心理状態には、大きく分けて2つのパターンがあります。
- 不満がなく、反抗する理由がない
- 不満はあるが、反抗するのを我慢している
それぞれのパターンについて解説していきます。
不満がなく、反抗する理由がない
親の意見に対して不満がなく、特に反抗する理由がないパターンです。
反抗するということは、相手の意見に対して自分は別の意見を持っているということです。相手の意見に賛同できるようであれば、反抗する必要はありません。それは反抗期であっても同様です。親の意見に対して特にこれといった反対意見を持っていない場合、当然ですが子供は反抗してきません。
反対意見を持っていない理由としては、「親の意見に賛同できる」「そもそも自分の意見を持っていない」などが挙げられます。
親の意見に賛同できる
親子の価値観が似ていて、特に反抗する必要がないケースです。親子でお互いの考えをしっかりと話し合い、子供の意見も尊重しながら物事を進めていれば、今後も大きなトラブルは発生しにくいでしょう。
そもそも自分の意見を持っていない
そもそも反対意見を持っていないため、反抗しないという状況です。一見、聞き分けの良い従順な子供に見えますが、自立心や自我の成長が遅れている可能性があり、自立過程で困難に直面するかもしれません。
不満はあるが、反抗するのを我慢している
親の意見に対して不満があるが、何らかの理由で反抗するのを我慢しているパターンです。
反抗したいのに反抗しない理由としては「反抗することに後ろめたさがある」という子供に原因がある場合と、「親からの抑圧・コントロールが激しい」という親に原因がある場合があります。
反抗することに後ろめたさがある
親へ反抗することに対して、「勇気がいる」「恥ずかしい」ため反抗することができないというケースです。この場合は自分の気持ちを伝えることにまだ慣れておらず、小さな自己表現を積み重ねていくことで少しずつ反抗する勇気を身につけることが必要です。
反抗しないままだと、大人になったときに「適切な意思表示の仕方」が分からず、人間関係で苦労する可能性があります。子供のうちから反抗する機会を与えて、意思表示の練習をさせてあげましょう。
親からの抑圧・コントロールが激しい
親がコントロールし、支配する力が強いと、子供は自己主張ができなくなってしまいます。
本来、反抗期は「自分の気持ちを周囲に主張する成長過程」です。自己主張を始めるべき時期に、親の顔色をうかがい、自分の気持ちを抑え込むと、自分の感情コントロールが上手くできなくなるなど、大人になったときにさまざまな反動・問題が起こり得ます。
抑圧・コントロールの激しい親は、「毒親」「ヘリコプターペアレント」とも呼ばれ、問題視されています。過干渉が極限まで悪化した状態と言えるでしょう。
過干渉についてはこちらの記事で詳しく解説しています。