子供の咳が止まらない!考えられる症状別の原因と家庭での対応方法 - cocoiro(ココイロ)

子供は咳をしていると、夜眠れなかったり、機嫌が悪くなったりします。その苦しそうな様子を見れば、親御さんは早く治してあげたいと思うもの。特に小さな子供は咳が止まらず重症化してしまう場合もあるため、一刻も早く適切な処置を行うことが肝心です。そこでこの記事では、咳が出る原因から咳をともなう病気やその治療について解説します。また、病院を受診するタイミングや子供の咳症状を和らげる家庭でのケアについてもご紹介します。

咳が出る原因

咳は体の中で起きている何らかの異常を知らせるサインです。咳が出る場合はいろいろな病気が潜んでいる可能性があるため、注意深く経過を見守りましょう。咳が出る原因は大きく分けて3つあります。順番に見ていきましょう。

咳が出る原因1:ウイルス

アメリカ合衆国連邦政府の運営する世界最大の医学図書館であるアメリカ国立医学図書館 国立衛生研究所(US National Library of Medicine National Institutes of Health)による研究で、風邪を発症する患者の69%はウイルスを病因としていることが分かりました。

ウイルスは人や動物に感染症を引き起こす微生物です。自らが細胞を持たないため、人や動物の細胞の中に入らなければ増えることができません。ウイルスが感染するといろいろな部位でいろいろな病気の症状を引き起こすため、風邪の諸症状が複数出ている場合はウイルス感染が疑われます。現在、ウイルスに効く抗菌薬(抗生物質)はないため、感染者は自身の免疫力で治すことになります。

咳が出る原因2:細菌感染

細菌は、ウイルスと同じく感染症を引き起こす微生物ですが、ウイルスよりも数十倍〜数百倍サイズが大きいのが特徴です。細菌は自らが細胞を持つため、自分の力で増殖していきます。細菌は単一の臓器に感染して症状を引き起こすため、咳だけ強く症状が出る場合は細菌感染が疑われます。ウイルス感染よりも細菌感染による病状の方が悪化しやすいですが、抗菌薬(抗生物質)により細菌を破壊することができます。

咳が出る原因3:その他

まれにウイルスや細菌以外の原因で咳を引き起こす場合があります。その原因として、

  • ストレス
  • 腫瘍
  • 先天異常

などが挙げられます。

咳が出たら注意すべきポイント

咳が出たら次の6つに注意しましょう。医師に説明する際にも大切なポイントとなるので、メモしておくのもおすすめです。

注意点1:咳の様子

子供が咳をしているときは音をよく聞きましょう。一般的に多くの人がかかる、風邪を原因とする咳には次の2つのタイプがあります。

  • コンコンー乾性咳嗽(がいそう)
  • ゼロゼロー湿性咳嗽

そのほかに緊急の治療が必要な重症化しやすい病気もあります。さまざまな咳の様子については先の「咳の症状別の病名と処置」で説明しています。

注意点2:咳の持続期間

咳が続く期間も、病気を見つける重要な手がかりの1つです。

  • 3週間未満で落ち着く咳(急性の咳)
  • 3~8週間続く咳(遷延性の咳)
  • 8週間以上長引く咳(慢性の咳)

子供が咳をし始めた時期をしっかりと把握しておきましょう。

注意点3:嘔吐

嘔吐には感染症による嘔吐とそれ以外のものがあります。小さな子供は咳が強く出ると横隔膜が胃を刺激するため、嘔吐するのは珍しくありません。子供が嘔吐したときは、まずほかの症状をチェックしましょう。

  • 熱の高さ
  • 便の状態
  • おなか・頭・耳など部位の痛み
  • 腹部の膨らみ

繰り返し嘔吐していたり、嘔吐以外の症状がある場合は病院での受診が必要です。

参考

嘔吐 白クマ先生の子ども診療所|日本医師会

注意点4:発熱

政府が発表している「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第12条第1項及び第14条第2項に基づく届出の基準等について」では、「発熱」とは体温が37.5℃以上を呈した状態をいい、「高熱」とは体温が38.0℃以上を呈した状態を指すとされています。

子供が熱を出せば病院に行くのは当然と考える方が多いですが、体温が高くなくても注意は必要です。

  • 機嫌の良し悪し
  • 食欲の有無
  • 体の痛み
  • 尿の回数

などに普段とは違う点が見られたら、受診の必要があるか注意深く観察しましょう。

参考

基礎編 子どもの発熱Q&A 発熱したら|テルモ体温研究所

注意点5:鼻水

通常は透明色ですが、病気になると黄色や緑がかった色になります。黄色い鼻水が出た場合は、

  • 鼻水の質感
  • 開始時期
  • 持続期間
  • 目や鼻周りの痛み
  • 発熱
  • 頭痛
  • 吐き気

などの症状に注意しましょう。

参考

鼻水が黄色い:医師が考える原因と受診の目安|症状辞典 | メディカルノート 補足説明

注意点6:年齢

咳をともなう子供の感染症は、子供の年齢によって少しずつ異なります。大きく分けると次のような年齢区分が診断に影響します。

  • 生まれて28日未満の新生児期
  • 生まれて満1歳までの乳児期
  • 満1歳から入学前までの幼児期
  • 小学生以上の学童期

子供が小さい間は、年齢だけでなく月齢も含めて医師の問診に答えられるようにしておきましょう。