薬学部は留年する人が多いって本当?留年理由や留年しないための対策 - cocoiro career (ココイロ・キャリア) - Page 3

薬学部で留年しないためにできること

それでは、どうすれば留年せずに薬学部を卒業できるのでしょうか? 子供が薬学部に入学する前に伝えたい、薬学部で留年しないポイントを紹介します。

大学選びで卒業率もチェックする

受験する大学を選ぶ際に、偏差値や国家試験合格率に加えて、その大学の卒業率もチェックしてみましょう。例を紹介します。同じような偏差値の、次の大学の中から進学先を決めるとしたら、どの大学にしますか?

大学名 卒業率 国家試験合格率
就実大学 49.0% 89.5%
九州保健福祉大学 46.4% 96.0%
いわき明星大学 36.5% 96.7%
第一薬科大学 21.0% 93.8%
青森大学 61.5% 54.8%
徳島文理大学 63.5% 81.3%

(出典元:【薬学部の選択】偏差値や国試合格率ではなく、「留年率」「卒業率」を見よう。|薬剤師国家試験対策

一見、国家試験合格率が高い大学が魅力的に映るかもしれませんが、薬剤師の国家試験を受けるためには、まず卒業しなければなりません。つまり、上の表の第一薬科大学の場合、国家試験を受験することができるのは、入学者のうち21%のみ、そのうちの93.8%の人が合格しているということに過ぎないということです。多くの私立大学の薬学部では、国家試験の合格率をあげるために、試験に受かりそうな優秀な学生しか進級させないという厳しい基準をとっているところが多いようです。

上の表に出てくる、大学でいえば青森大学や徳島文理大学は卒業率が他の大学と比較して高めです。確かに、国家試験合格率は他大学に比べて見劣りしますが、薬学部において何よりも大切なのは、卒業することです。卒業すれば、たとえ国家試験に合格できなくても最低限大学薬学部卒業という学歴を手に入れることができ、就職にも有利になるでしょう。

薬学部は必ず薬剤師になれる?就職先は?進学時のチェックポイント!

とにかく授業に出席する

大学生になってサークル活動やアルバイトなどを始め、忙しくなって授業を欠席がちになる学生も少なくありません。休まず授業を受けていてもついていくのが大変なのに、欠席が続くと単位がもらえなかったり、勉強にもかなりの遅れが生じます。学業を優先し生活リズムを整え、授業はできるだけ休まず出席しましょう。アルバイトは無理のないようにシフトを調整することをおすすめします。

勉強はチーム戦で挑む

薬学部では有機化学、分析化学、物理化学、分子細胞生物学など、かなりの高度な専門分野を学ぶ科目が必須なります。これらを1人で頑張って勉強するのもいいのですが、可能であれば友達数人で一緒に勉強するのもおすすめです。それぞれに担当する科目を割り振り、まとめ資料や過去問を作成し、共有すれば、効率よく試験対策が進みます。

定期試験は過去問を入手

定期試験は、過去問を使って勉強するのが1番効果的です。サークルなどの先輩や、過去問を持っている友人などにお願いして、可能であれば入手します。もちろん、毎年同じ問題になることはないかもしれませんが、過去問を使って対策すれば比較的安心して試験を受けることができます。過去問が入手できない場合は、出題傾向などでもいいので先輩や友達に聞いてみるのもいいでしょう。

明確な目標を立てる

留年せずに薬学部の勉強を乗り切るには、「薬剤師国家試験に合格に向けて勉強する」という明確な目標を立て、授業に出席し、毎日復習・試験対策の勉強を続けることです。また先輩や先生、知り合いの薬剤師などで自分が「こういう薬剤師になりたい」と目標にできる人を見つけるのもいいでしょう。常にモチベーションを高め、継続することが大事です。

まとめ

薬学部で留年しないためには、目標に向かって、継続した日々の学習がとても重要となってきます。大変ですが、人の命に関わる薬についての知識と技術を生かせる、やりがいを感じられる進路ではないでしょうか。

薬剤師になるには?薬剤師の年収やなるためのルートもまとめて徹底解説

参考

薬学教育|文部科学省
薬剤師国家試験合格発表|厚生労働省
平成26年度 質の高い入学者の確保と教育の質の向上に向けてのフォローアップ状況|文部科学省
薬学6年制の現況と展望 東京理科大学理事長公演
薬学部はどれくら大変なの?|薬学部を目指す! 薬学部を講座
薬学部で留年しないためにするべきこと9選|薬剤師は日本中に浪漫を届けたい

この記事をかいた人

shokole

ライター・英語講師・翻訳者。英検1級、TOEIC980点。英文科を卒業後、すぐに結婚。移住したアメリカで、日本とアメリカの子育ての違いに興味を持ち、現地の大学で幼児教育を学ぶ。6年のアメリカ生活を経て、帰国後に英会話教室をスタート。現在は英語講師のほか、翻訳や論文の英語チェックなどにも従事。ライターとては、英語学習や教育関連の記事を中心に執筆。キッチンで料理するのが毎日の癒し。6人の子供の母。