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子供にとって最も身近な職業である、先生になりたいという子供は多いでしょう。学校の先生になるためには教育学部に進学するのが王道です。では、教育学部では具体的にどんなことを学ぶことができ、卒業後の進路は教師のほかにはどのような選択肢があるのでしょうか。当記事では、さまざまな側面から教育学部を紹介します。
もくじ
教育学部の概要
教育学部には教員養成系と教育学系がある
教育学部は、ほかの学部以上に入学する学科の見極めが重要になります。例えば、同じ教員を目指すとしても、小学校と中学校、高校では必要な免状が異なります。指導科目によっても学ぶべき内容が変わってきます。
教育学部には大きく分けて教育学系と教員養成系の2つがあり、これらは目的や内容が大きく異なります。
教育学系
教育学は広く教育そのものを研究する学問であり、1人1人が健全で豊かに成長していくためにはどのような教育を行えば良いのか、ということを中心に研究を進めていきます。
対児童・生徒の学校教育だけではなく、家庭教育や企業における人材教育などがあります。ほかにも生涯教育、国際教育、教育関連の施策検討など多角的かつ総合的に教育に関することを取り扱う学部と言えます。
以下は一例です。ほかの学問領域と共通する部分もあり、幅広い教養を身につけられます。これらは教養学部や人間科学部などの中に含まれていることもあります。
- 教科教育学
- 学校教育論
- 教育心理学
- 教育文化学
- 教育史学
- 教育制度論
教育学系の大学は以下の記事で詳しくご紹介しています。
教員養成系
教員養成系では、豊かな教養と幅広い見識、そして高度な専門性を備えた優秀な教員を育成し、輩出することを目指します。専門分野に関する知識や技能に加え、高度な教育実践力を身につけるため、講義だけでなく発表形式の授業や模擬授業の実施といった実技も行います。実際に学校に赴いて、教育の現場で経験を積む教育実習もあることが特徴となっています。
以下のような養成課程があります。在学中にこれらの課程を履修し、いずれかまたは複数の教員免許を取得します。
- 初等教育系:小学校の教員
- 中等教育系:中学と高校の教員。科目別になります
- 障がい児教育系:特別支援学校教員
- 幼児教育・保育系
教員養成系には、教員免許を取得しなくても卒業できる「ゼロ免課程」もあります。しかし、団塊世代の大量退職により教員の需要が高まった2015年以降、ゼロ免課程の多くは消えました。
教員免許の取得には、実習などで負担も大きくなります。教員養成系の学部への進学を考えている人は、その点を考慮して進路を決めると良いでしょう。
教育学部で取得できる免許や資格
教育学部では所定の条件を満たすことで、さまざまな免許や資格を取得できます。大学やコースによって取得可能な免許や資格が異なりますので、事前にしっかり確認しておきましょう。
教育職員免許状には、以下のような種類があります。
- 幼稚園教諭
- 保育士資格
- 小学校教諭:全科
- 中学校教諭:専科(特定の教科を担任)
- 高等学校教諭:専科(特定の教科を担任)
- 特別支援学校教諭
特別支援学校教諭は、小中高いずれかの免許に加えて取得することになります。一種は4年制大学卒業生、二種は短大卒業生、専修は大学院卒業生がそれぞれ取得できます。また、これまで1度取ってしまえば以後更新する必要はありませんでしたが、2009年4月から教員免許更新制が導入され、教員免許に10年の有効期限が設けられるようになりました。
また、教員免許を取得することは教育学部以外の学部でも可能です。教職課程の科目を履修して所定の単位を取り、所定の教育実習などを受ければ、教員免許取得の要件を満たすことが可能です。教員に興味はあるものの迷っているのであれば、一般の学部に進学するという選択肢もあります。
しかし、履修登録の際、同じ時間帯に在籍学部と教職課程の講義が重複してしまったり、そもそも登録上限数の兼ね合いが難しくなったりする可能性があります。また、教員採用試験の採用率は、やはり教員養成系の出身者の方が高くなっています。
教育学部があるのはほとんど国立大学
日本の教育学部は、明治の師範学校以来の歴史的経緯などから、そのほとんどが国立大学に設置されています。このため、教員養成では国立大学が主導的な役割を担っていると言えます。
私立大学では戦後、早稲田大学の高等師範部が私立大学としては初めて教育学部に改組されました。教育学部が置かれている私立大学は多いですが、それらは教育学の研究を目的としており、教員養成系の大学は文教大学、明星大学、常葉大学など少数です。
このほかに、教育学部という名称ではないものの、教育学を学ぶことができたり、教員養成を行っている大学もあります。
教育学部の歴史について興味のある方は、以下リンクの各章第五節を中心に読んでみてください。
参考
学制百年史|文部科学省
こちらは国立の教員養成系大学である東京学芸大へ通う学生へのインタビュー記事です。