医学部で留年しないためにすべきこと
医学部で留年している学生が増えている背景がお分りいただけたでしょうか。「うちの子供は留年させたくない」というのが親の本音でしょう。そこで最後に、医学部で留年しないために子供がすべきことを解説します。
友人や先生との交流を増やし、情報戦を制す
ほかの学部での定期試験でも言えることですが、大学の試験はある意味では「情報戦」です。科目によっては膨大な範囲の中から試験に出題される問題や過去の傾向などを知っておけば、効率的な勉強によって単位を取れる学生がいる一方、すべての授業に出席していたとしても、要領が悪く試験で出題されないところばかり勉強してしまって単位を落とす学生もいます。
医学部では特に解剖学や組織学などが内容量の多い科目なので、これらは友人との情報交換や先生から出題範囲を事前に聞いておくことで、単位取得の可能性を高めることができます。
国公立大学の医学部を目指す
前述のとおり、私立大学の医学部は国家試験合格率を上げるため、進級するためのハードルが高くなっている可能性があります。一方、国公立大学の医学部は、学費の安さから毎年志願者は一定数いるため、私立大学のように「国家試験合格率を上げるために進級するためのハードルも高くする」という必要はありません。
また、私立大学の医学部が出席を取るところも多いのに対し、国公立大学では少し緩い傾向があります。留年せずに進級していくことを考えるのであれば、国公立大学の医学部の方が進級はしやすいかもしれません。
本当に医学部で学びたいのかを考える
偏差値の高さや将来の安定性だけで医学部を選択してしまうと、「医師になる」「医学を修める」「医療の中で社会に貢献したい」などと言った意欲が湧かず、6年間大学で勉強し続けることが難しくなってしまいます。
自分が大学で何を学び、将来どんなことをしたいのか、どんな価値を社会に与えたいのか、自分が4〜6年間という期間で意欲を持って学業に取り組める分野を選択することが望ましいでしょう。
終わりに
医学は日々進化し続けている分野です。医学部の入学のみならず、在学中の6年間、また医師になってからも医学について勉強し続ける姿勢が求められます。留年をしないためだけでなく、医学の力で社会の役に立つために、諦めず主体的に学び続けられることが大切となります。
参考
最低在学年限超過学生数|e-Stat
医学生の学力に関するアンケート調査結果|一般社団法人全国医学部長病院長会議
高偏差値「医学生」の留年が急増している理由|東洋経済オンライン
もう既に30人留年決定!!医学部の授業の難易度と留年・退学事情|医学部予備校比較ランキング
これが医学部大量留年の驚くべき実態だ|文春オンライン