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医学部で留年する学生が増えている理由
医学部で留年してしまう学生が増えているのには、いったいどのような理由があるのでしょうか?
「1つでも単位を落としたら留年」の難しさ
他学部との比較の中で、医学部の特徴として挙げられるのが「教養の後の授業はすべて必修であり、1つでも落としてしまうと進級不可」という点です。言葉どおり、1つでも必要な単位を落としてしまうと、その瞬間留年が決まってしまいます。
例え、たくさんある科目のうち、1科目落としただけだとしても、留年となってしまいます。次の1年間はその落としてしまった1科目の授業を受けるためだけに学校へ通わなければならないという現実があります。
医学を修め、医師になる意欲の低い学生の増加
医師になるという意欲の弱い学生が増加していることも、留年する学生が増えている理由の1つです。東京慈恵会医科大学・教育センター長の福島統教授は以下のように述べています。
医者になるには本来強い目的意識や年々新しく出る症例などを生涯学ぼうという気概が必要。高い偏差値で手に職をつけようと入学した学生にはギャップが生じやすい
(引用元:高偏差値「医学生」の留年が急増している理由|東洋経済オンライン)
偏差値や手に職という安定性だけで医学部を選んだ結果、「そもそも医師の仕事にはそんなに興味がない」「医学部合格が目的で燃え尽きて、大学に来なくなった」など、大学と学生のミスマッチが起こっているのです。
国家試験合格率を上げるため
私立大学の医学部は国公立大学の医学部と比較しても、同じ医学部とは思えないほど高額な学費が必要になります。高い学費を支払ってでも進学したいと受験生に思わせるために、私立大学では医師の国家試験合格率を上げて実績を残す必要があります。そのため、進級の基準を厳しくすることにより、試験合格の可能性の高い学生に絞って国家試験を受験させ、国家試験合格率を上げようとしているのです。
一見すれば「国家試験合格率の高い素晴らしい大学の医学部」に見えるかもしれませんが、その実は進級のハードルが極めて高いということもあり、留年している学生が多い可能性もあります。