脱ゆとり教育とは?ゆとり教育との違いと脱ゆとり世代の特徴を解説 - cocoiro career (ココイロ・キャリア) - Page 3

これからの「脱ゆとり教育」の内容!どう変化する?

これからの「脱ゆとり教育」の内容!どう変化する?
「脱ゆとり教育」の内容は、現在も変化し続けています。今回は今後の「脱ゆとり教育」における変更予定の内容を4つご紹介します。

アクティブ・ラーニングの全面的な導入

講義型の授業ではなく、生徒が提案したり話し合ったりすることで進められる授業をアクティブ・ラーニングと呼びます。2020年度から、このアクティブ・ラーニングが全面実施される予定です。

アクティブ・ラーニングについて、当時の文部科学相だった馳浩氏は、会見の中で以下のように述べています。

「知識が生きて働くものとして習得され、必要な力が身につくことを目指すもの。知識の量を削減せず、質の高い理解を図るための学習過程の質的改善を行う」

(引用元:「脱ゆとり」を宣言…探究学習、全面導入で|毎日新聞

通常の授業は先生が一方的に話すことが多く、子供の主体的な動きは多くありません。アクティブ・ラーニングによって、知識を自らの言葉で発信し、より力を身につけることが期待されています。

小学生のプログラミング授業の充実化

今後検討されている変更案の1つに、2020年度からの小学校におけるプログラミング授業の必修化が挙げられます。

公開されている小学校学習指導要領の改定案には小学生のプログラミング授業について以下のように記載されています。

児童がプログラミングを体験しながら,コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動

(引用元:290213 小学校学習指導要領(案)|文部科学省

プログラミングの授業では、コンピュータにどのような指示をすれば思ったような結果になるかを子供に考えさせます。情報処理に幼いころから親しむとともに、論理的な思考力を磨くこともプログラミング授業に望まれている点だと言えるでしょう。

小学校のプログラミング教育に関しては下記の記事でも解説しています。
小学校のプログラミングの授業はなぜ必要?導入する目的とは

3年生から!小学生の英語教育の充実化

また、2020年度からは小学3年生から外国語に関わる授業がさらに充実する見込みです。

小学校における教科としての外国語について、前掲の小学校学習指導要領の改定案には以下のような記載がされています。

外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語による聞くこと,読むこと,話すこと,書くことの言語活動を通して,コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(引用元:290213 小学校学習指導要領(案)|文部科学省

なお小学3年生と4年生では「外国語活動」、5年生と6年生では「外国語」という名称とされています。3・4年生では挨拶などのコミュニケーションを学びますが、5・6年生では読み書きに加えて会話や発表活動なども検討されています。高学年では5W1Hの疑問詞を用いた英文も習うため、現在の中学校1年生レベルの内容を一部小学校で習うことになるでしょう。

小学校の英語教育についてはこちらの記事で解説しています。
小学校でも英語教育が必修に!幼児〜小学生の英語教室徹底比較

学校の土曜休みは終了?学校週6日制を検討中

今後の教育の充実化のために、学校週6日制の導入が検討されています。学校週5日制は1992年度から実施され始め、「ゆとり教育」の1つとして2002年度から全面導入されてきました。

学校週6日制の導入についての当時の文部科学相である下村博文氏の会見を、日本経済新聞では以下のように報じています。

下村博文文部科学相は15日の閣議後の記者会見で、公立学校の土曜授業を復活させる学校週6日制について「世論の理解はあると思う。実現のためにどんな課題があるか省内で整理している」と述べ、導入の検討を始めたことを明らかにした。

(引用元:文科相、学校「週6日制」の検討開始 学力向上狙う |日本経済新聞

「ゆとり教育」では土曜授業が廃止されたことで、授業数が大きく削減されました。学校を週6日制とすることで、学習量をより多く確保するねらいがあるでしょう。

教育の変化を知ることで、家庭でも子供をケアしよう

「脱ゆとり教育」はこれまでの成功点や失敗点などすべてを踏まえた上で、さらに良い教育を目指して行われている教育です。小学校だけでなく中学校や高校でも変更点があり、親としては今後の変更の動向を確認しておく必要があるでしょう。

すでに親世代と子供世代では、受けている教育や世間で求められている能力などが変化してきています。我が子の教育への理解を深めるためにも、学校教育の変更内容を把握する必要があるでしょう。

参考
小学校プログラミング教育の手引(第二版)|文部科学省
「脱ゆとり」定着 10年前よりページ数36%増に|産経ニュース
文科相、学校「週6日制」の検討開始 学力向上狙う |日本経済新聞
「脱ゆとり」を宣言…探究学習、全面導入で|毎日新聞
290213 小学校学習指導要領(案)|文部科学省
幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の 学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)【概要】|文部科学省
道徳の教科化 道徳は「揺れる」ことが大切? 小学校の教育|ベネッセ教育情報サイト
脱ゆとり教育!?「コツコツ勉強」派が増えているワケ|ベネッセ教育情報サイト
いよいよ来る、小学校からプログラミング必修化|INTERNET Watch
2020年からはじまる新しい教育指導「アクティブラーニング」って?|第一ゼミナール

この記事をかいた人

mio_yamamoto

立教大学観光学部卒。豊かな教育は豊かな街を作ることに繋がると考え、教育業界にて6年間講師職に従事。現在は働く人を支えるべく、社会保険労務士の勉強中。趣味はアンテナショップ巡りとプログラミング、iPadで写真に手書き加工をすること。食べることが大好きで全体的に太ってきてしまったので、暇さえあればストレッチや筋トレに励む毎日です。