脱ゆとり教育とは?ゆとり教育との違いと脱ゆとり世代の特徴を解説 - cocoiro career (ココイロ・キャリア) - Page 2

「脱ゆとり教育」と「脱ゆとり世代」の特徴

具体的に「ゆとり教育」と「脱ゆとり教育」にはどのような違いがあるのでしょうか? 「脱ゆとり教育」の特徴を「ゆとり教育」と比較しながら解説していきます。

「脱ゆとり教育」の特徴

知識の定着のために、反復練習を充実させた

「ゆとり教育」と言うと、子供の学力の低下を招いたと言われることもあります。それは授業時間数の削減や総合的な学習の時間が増やされたことで、子供の学習量が減ってしまったことが1つの原因でしょう。

「脱ゆとり教育」に反映された変更点について、産経ニュースでは以下のように報じられています。

現行教科書は、脱ゆとり路線への転換で学習指導要領に反復練習の充実が盛り込まれたことから、習った内容を復習する記述が随所に目立つ。新しい教科書もこの流れを引き継ぎ、算数では、自主学習用の練習問題を低学年から手厚くした教科書も登場した。

(引用元:「脱ゆとり」定着 10年前よりページ数36%増に|産経ニュース

「脱ゆとり教育」では知識の定着を図るために、反復練習を多く取り入れた教科書が使用されています。「ゆとり教育」の反省を踏まえ、確かな学力を身につけられるような改定がされているのです。

これに合わせて教科書の厚みは増し、授業時間も増えています。「脱ゆとり教育」は「ゆとり教育」と比較して学習量が多く確保されるようになりました。

目的はいじめの減少?道徳の教科化

「脱ゆとり教育」の変更点の1つに、道徳が教科化された点が挙げられます。道徳が教科化される理由について、上智大学総合人間科学部教育学科の奈須正裕教授は以下のように述べています。

いじめや自殺の問題に際し、子どもたちに生命を尊重する感覚や倫理観が育っていないのではないかという議論があったのです。また、教科でないゆえ、地域によって取り組みにばらつきがあるという問題もありました。そこで、教科として週1回、年間35時間きちんと授業を行い、教科書も作ることとなったのです。

(引用元:道徳の教科化 道徳は「揺れる」ことが大切? 小学校の教育|ベネッセ教育情報サイト

近年、子供による犯罪やいじめがたびたび問題視されています。命の大切さや生きることについて考える時間を教科として確保することが、いじめの減少にもつながるのではないかと考えられているのです。

「脱ゆとり世代」の特徴

なんでもインターネットで検索し解決する

幼い頃からインターネットに触れて育ってきているため、インターネットで調べて物事を解決することに慣れています。
そのため、人に質問することを恥ずかしいと捉えていたり、プライドが高く質問をできないなどの特徴があります。

また、SNSに依存する傾向にもあり、自分や周囲の行動はSNS場で把握することが当たり前になっています。

脱ゆとり世代はスマホネイティブ世代とも言われているようです。

スマホネイティブ世代はSNSを勉強に役立てる?勉強垢とは?

人に合わせることが得意

SNSで周囲から見られることに慣れているため、相手が求める自分像になりきることが得意な傾向にあります。相手にとって「こうあってほしい」という自分を演じることができます。

また、合理的で現実主義な部分があるため、無理頑張りすぎずに80%程度の力で物事をそつなくこなすことに長けています。過度な消費欲や出世欲なども強くはない傾向にあります。