ゆとり世代が受けた「ゆとり教育」とは?
ゆとり教育を受けた世代のことを「ゆとり世代」と呼ばれています。ゆとり教育の始まりについては諸説ありますが、主に平成時代を生きる子供を対象として行われた教育である、という印象を持つ人が多いでしょう。
ゆとり教育が行われるようになった時代の背景としては、子供によるいじめや暴力などの被害が社会問題となり、学力以外の力を育む必要性が求められ始めたという点が挙げられます。
1996年の文部省中央教育審議会による答申では、完全学校週5日制について言及しています。その章の中では、子供に与えるべき「ゆとり」について以下のような文言が記述されています。
今後の教育の在り方について、我々は、これまで述べてきたとおり、子供たちや社会全体に[ゆとり]を確保する中で、学校・家庭・地域社会が相互に連携しつつ、子供たちに[生きる力]をはぐくむということを基本にして展開されていくべきだと考える。
(引用元:第5章 完全学校週5日制の実施について|中央教育審議会)
当時、文部科学省では、子供に「ゆとり」を確保させることで、「生きる力」を育む必要があると議論されていました。「生きる力」とは学校の授業だけで身につくものではなく、家庭や社会活動の関わりの中で養われるものだとされていました。
この力を養うために、理数科目を中心に授業の時間が減らされました。勉強時間を生活の時間に充てることで、生きる力を養わせることを目的に取り組まれたのがゆとり教育なのです。
ゆとり教育について詳しく知りたい方は、こちらの記事で解説しています。
またゆとり教育から脱ゆとり教育に移行した経緯についてはこちらの記事で解説しています。