ゆとり世代の子供への接し方
「ゆとり世代」は年齢の幅が広いことが特徴の1つです。移行期間の教育を受けた子供の中には、現在中学生である年代も含まれます。我が子がゆとり世代である場合、親はどのように接すればいいのでしょうか。今回は接し方のポイントを3つご紹介します。
直してほしい点は「納得させて直させる」
ゆとり世代の特徴の1つに「打たれ弱い」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社の同調査では、「どのように指導してほしいか」という項目についてもアンケートをしています。
回答の結果は以下のようになりました。
(参照元:2018(平成30)年度新入社員意識調査アンケート結果|三菱UFCリサーチ&コンサルティング)
男性の67.6%、女性の84.5%が厳しい指導よりも「やさしくていねいに教えてほしい」と回答しています。この結果からゆとり世代へ何か注意をする際には、叱責よりも説得することが望まれていると言えるでしょう。
我が子に対しても、塾の宿題に手がつけられていなかったり、任せた手伝いが終わっていなかったりと、日常で注意したい点は多くあるでしょう。その場合はまずは理由や状況を聞き、できない状況への理解を示すことが望まれている可能性があります。
理解を示すことで、味方であるという姿勢を示すことができます。その上で直してほしい点や行なってほしいこと、その理由などを伝えてみましょう。突然叱責するよりも、子供が行動しやすくなるかもしれません。
ただし、どんな注意の仕方が合っているかは子供によって異なります。普段すぐに怒ってしまうけれどもなかなか効果がない場合は、共感してあげて、子供を納得させてみると変化が見られるかもしれません。
自分の時間を作れるよう、構いすぎない
ゆとり世代の人々は、年代を問わず土曜日は学校が休みであることに慣れて育っています。土曜日を塾や習い事などに使い、忙しく過ごしていた子供もいるかもしれません。しかしゆとり世代よりも上の世代の大人たちに比べると、学校のような社会集団と関わっていた時間が短くなっています。したがって、自分の時間が作られている状況に大人以上に慣れている可能性があります。
ある程度の年齢になると、自分の部屋を欲しがる子供も多いでしょう。部屋の中にいる時間は、大切にしたい自分の時間なのかもしれません。親であっても構い過ぎず、適度に子供が自分で時間の使い方を決められるような生活を送らせてあげるといいでしょう。
乗り越え方だけでなく「切り替え方」も教える
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社の調査でも分かったように、ゆとり第3世代の人々は上の世代の人々と比べて自分の能力を高めることに重きを置いていない人が多いものです。
子供が何かにつまずいた際に、親からのアドバイスが必要なときもあるでしょう。その場合、子供は必ずしもつまずいた障害を乗り越えたいと思っているわけではないかもしれません。
問題に直面した際には、解決方法として別の選択肢がないかを考えることを提案してみてもいいでしょう。
「ゆとりだから」ではなく、子供個人を見つめよう
「ゆとり世代」という言葉は、やや批判的に使われる機会も多く見られます。そのためゆとり教育を受けた我が子が何か問題を起こした際に、「ゆとり世代だからかな?」と思ってしまう親もいるかもしれません。
しかし我が子に対して「ゆとりだから」という言葉をかけたところで、いい変化が期待できるとは限りません。大切なのは子供個人を見つめ、向き合うことです。「ゆとり世代」という偏見を排除して、子供の成長を支えていきましょう。
参考
平成世代の当事者語る「ゆとり教育」 印象は「悪い」?|朝日新聞DIGITAL
2018(平成30)年度新入社員意識調査アンケート結果|三菱UFCリサーチ&コンサルティング
第5章 完全学校週5日制の実施について|中央教育審議会
教育課程の今日的課題の一考察|川村学園女子大学研究紀要第21巻第2号91頁̶ー107頁 2010 年
なぜ「ゆとり」はバカにされるのか メディアの印象操作が生んだ悲劇|IRONNA
学習指導要領「生きる力」|文部科学省
ゆとり世代は何歳から何歳までなのか・今年何歳になるのか|URANAU
「ゆとり世代」学力低下はウソだった~大人たちの根拠なき差別に「ノー」を!|現代ビジネス
データで見る日本のミレニアル世代の特徴|アデコ株式会社
ゆとり世代とは?ゆとり世代の特徴・年齢は現在何歳?何年代?|Mayonez