
税金ってどこに使われている?
所得税と住民税を合わせると、所得に応じて収入の10〜55%が税金として徴収される日本。各家庭が支払っている税金は子供たちが思っているよりも高額かもしれません。それでは、これらの税金はいったい何のために使われているのでしょうか。
学校
子供たちにとって最も身近で、かつ最も税金が投入されている施設は学校でしょう。公立校なら土地・建物の取得から教職員の給与までほぼすべてが税金によって賄われています。
どこからどこまでが税金によるものなのかを調べてみても良いでしょう。義務教育課程の公立校であれば授業料や教科書代は無償となっていますが、給食費は各家庭から徴収されています。また、制服がある学校は制服代も家庭の負担となります。
どうしてそのようになっているのか? この決まりを変えてみるとより良い教育が実現できるのか? などの問いかけに、子供たちなりに考えてみることもできます。
学校に投入されている税金、特に無償化の範囲については以下の記事でも詳しくご紹介していますので併せてご覧ください。
病院
「病院はお金を払うところ」という印象を持っている子供も多いので、実は多額の税金が投入されていることを知ると驚くかもしれません。病院の診療費などは窓口負担と健康保険だけでなく、税金からも財源が投入されています。。
また、日本の社会保障費の主な財源になっている健康保険・年金・介護保険は国民全員が加入することが前提です。そのため「実質的な税金ではないか」という意見があるのも事実です。例えば、社会保障費を税金にしたらどうなるのか? そのような運用をしている国はあるのか? などについて調べてみるのもおもしろいのではないでしょうか。
参考
[国の財政] 歳出~社会保障関係費~ 税の学習コーナー|国税庁
会社
民間企業にも税金が投入されています。国が推進したい政策に沿った事業を展開している企業には補助金や助成金が出ることがあります。
また、経営難に陥った企業に対して国が支援を行うこともあります。銀行などでしばしば見られるケースです。「公的資金」というキーワードで調べてみると、どのような運用を行うべきなのかについて現在も議論が起こっているのが分かります。
参考
補助金申請システム(Jグランツ)を開発しました | (METI/経済産業省)
公的資金による企業再生支援のルールを明確に! 自民党有志が「公正競争条件確保法案」を議員提案へ(塩崎 恭久) | 現代ビジネス 講談社
なぜ銀行だけは公的資金を使って救済するの?一般企業と銀行の違い | F-Style Magazine
役所や警察・消防
いわゆる「お役所」組織の運営はすべて税金によって賄われています。子供には市役所や県庁などは馴染みのない施設かもしれませんが、交番に落とし物を届けたり、消防署に社会科見学に行ったりする機会はこれまでにもあったのではないでしょうか。
これ以外にも道路を作ったり補修したりするための機関など、生活に密着した場所に多くの税金が使われています。「こんなところにも税金が使われていたのか!」というものを探してみましょう。