WAIS検査を受検するには?費用は?
続けて、WAIS検査を受けるための方法と費用をご紹介します。WAIS検査は保険を適用できるかできないかで値段が大きく変わるので、ご自身の状況に合わせてご確認ください。
公的病院など(保険適応)
保険が適用されるのは、医師から診療上WAIS検査を受けることが必要だとみなされた場合です。そのため、受検する場所は総合病院などの病院になります。費用は、1350円で受けることができます。ただ、診断書や報告書を書いてもらう場合は別料金が発生します。
クリニック・カウンセリング(保険適応外)
医師の診断がなくても、クリニックなどで受けることができます。ただこの場合は、保険が適用されないため、費用は1~3万円ほどします。クリニックにより料金の幅はありますが、1万5000円~2万円ほどであることが多いようです。
参考
WAIS-4(ウェクスラー成人知能検査 第4版)|心理オフィスK
WAIS検査を受検するメリット
周りとは違った生きづらさを感じている場合は、WAIS検査を受けるメリットがあります。ここでは、3つのメリットをご紹介します。
知能指数を正確に知ることができる
知能指数を知ることで、ある程度の特性を知ることができます。例えば、知能指数が高いと会話の理解が早かったり、論理的思考が得意だったりします。逆に知能指数が低いと、臨機応変な対応が苦手だったり、段取りをすることが苦手だったりします。自身の特性を知ることで、事前に対策をとることができます。
また、知能指数はあくまで1つの指標であり、優劣を決めるものではありません。それを大前提に考えると、知能指数を正確に知ることは、より良く生きるためのスタートラインというふうに気軽に考えられます。
知能指数については、こちらの記事で詳しく解説しています。
適切な教育支援を受けるきっかけになる
WAIS検査を受けることで、一般的な教育内容は適していないという判断になることがあります。検査の結果から発達障害の傾向があると分かれば、その人に合った教育機関を選ぶことができます。映画にもなった話題の「ギフテッド」も、WAIS検査で分かることがあります。ギフテッドは、子供にも大人にも存在します。自分の特性を知ることは、持っている(秘めている)力を最大限発揮するきっかけにもなるでしょう。
ギフテッドについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
障害や疾患の有無を診断するヒントになる
WAIS検査は、一種の知能指数を測る検査です。ただ、結果によっては、障害や疾患の有無を診断するヒントになる可能性があります。例えば、厚生労働省は知的障害の判断基準を、下記の2つでいずれにも該当する場合としています。
(a) 「知的機能の障害」について
標準化された知能検査(ウェクスラーによるもの、ビネーによるものなど)によって測
定された結果、知能指数がおおむね70までのもの。
(b) 「日常生活能力」について
日常生活能力(自立機能、運動機能、意思交換、探索操作、移動、生活文化、職業等)
の到達水準が総合的に同年齢の日常生活能力水準(別記1)の a, b, c, d のいずれかに該
当するもの。
(引用元:知的障害児(者)基礎調査:調査の結果|厚生労働省)
このことからも、WAIS検査の結果は障害や疾患を知るヒントになることが分かります。
まとめ
WAIS検査は1930年代に考案され、2018年までに第4版が出ている知能指数を測る検査です。また、WAIS検査は、認知可能な特定の分野だけの知能を測る検査です。知能指数を知ることをメリットにつなげるためには、その人が本来持つ得意・不得意の個性を尊重する意思が大切です。WAIS検査を活用して、より幸せになれる方法を探してみてはいかがでしょうか。
参考
WAIS・WISCとは?ウェクスラー式知能検査の特徴、種類、受診方法、活用方法のまとめ|LITALICO発達ナビ
WAIS成人知能検査を受付中 | メンタルキャリアライド
知能指数(IQ)とは?定義や知能検査の種類、知能指数の値と疾患・障害の関係は?|LITALICO発達ナビ
知的障害児(者)基礎調査:調査の結果|厚生労働省