IQを測る「WAIS検査」とは?検査内容や費用・結果の見方・メリットをご紹介

WAIS検査という言葉をご存知でしょうか? WAIS検査は、成人の知能(IQ)を測るための検査で、人間の認知・情報処理機能(見る・聞く・理解する・伝える・覚えるなど)の中で、何を得意とするのかを知ることができます。今回の記事では、意外と知られていないWAIS検査の概要や検査の構成、費用、メリットなどをご紹介します。ぜひ、参考にしてください。

WAIS検査とは?

WAISは「Wechsler Adult Intelligence Scale」の頭文字をとったもので、ウェクスラー式知能検査の1つです。ウェクスラー式知能検査は、1938年にウェクスラーが個人の知能を診断する目的で開発した知能検査です。開発されてから80年以上経ち、今日では最もよく使われる知能検査として知られています。

ウェクスラー式知能検査は、WAIS以外に子供向けのWISC(Wechsler Intelligence Scale  for Childrren)と、幼児向けのWPPSI(Wechsler Preschool and Primary Scale of Intelligence)があります。どの検査も、専門家と受検者が一対一になって検査をします。

WAIS-IV検査の構成・内容

WAIS検査は、これまでにWAIS-IV(ワイス・フォー/2018年)まで開発されています。ここでは、WAIS-IVの検査構成と内容をご紹介します。ウェクスラー式知能検査の特徴は、ただ知能指数の高低を測るのではなく、4つの指標を設けることでより多角的に知能を測定することができる点です。16~90歳11ヶ月までが適応年齢となります。

群指数と下位検査項目で構成されている

WAIS-IV検査は4つの群指数と、10の基本検査・5つの補助検査からなる15の下位検査項目で構成されています。詳しい検査状況は、正しい結果を得るために事前に知ることはできず、公開もされていません。

4つの群指数

検査構成の大枠である4つの群指数は、下記のとおりです。

  • 言語理解指標
  • 知覚推理指標
  • ワーキングメモリー指標
  • 処理速度指標

言語理解では、文章を理解したり、言葉による情報を使いこなす能力が分かります。これが低くなるほど、コミュニケーションが難しくなっていきます。

知覚推理は、目から情報を取り込み、得た情報を関連付ける能力が分かります。これが低いと、図やグラフなどの資料から情報を読み取るのが難しくなります。

ワーキングメモリーは、耳で聞いた情報を覚えて処理する能力があるかが分かります。これが低いと、言われたことを忘れっぽくなってしまいます。

処理速度は、目で見た情報を速く正確に多く処理する能力です。これが低いと、事務処理などの作業スピードに影響します。

15の検査項目

次は、4つの群指数を測るための15の検査項目を確認していきましょう。検査項目は、基本検査と補助検査に分かれています。

群指数 基本検査
(補助検査)
内容
言語理解 単語 言葉の意味や語彙
類似 抽象的な言語理解
知識 一般的な知識
(理解) 社会習慣やルール、経験についての理解力
ワーキングメモリー 算数 計算する能力
数唱 注意力や集中力
(語音整列) 2つの異なったものを整理して処理する力
知覚推理 パズル 文脈整理、再構成の力
積木模様 全体から違いを見つける力
行列推理 全体の関連性や関係性を推理する力
(絵の完成) 細部の違いを視覚的に感知する力
(バランス)
処理速度 符号 暗記して書き写しをする
記号探し 記号の照合をする
(絵の抹消)

WAIS™-IV知能検査【新刊】| 日本文化科学社より筆者作成)

基本的には10の基本検査で、全検査IQと4つの群指数が算出されます。また、補助検査のうち「語音整列」「バランス」「絵の抹消」は16~69歳のみの検査内容です。

参考
WAIS™-IV知能検査【新刊】| 日本文化科学社

WAIS検査の結果の見方

WAIS検査は、数値やバラツキで解釈することができます。ただ、ペーパーテストと同じように、知能検査の結果がすべてではありません。日常の行動や性格、生育歴など、ほかの情報も踏まえて解釈することが大切です。

得点 分類 全体の中の割合
130以上 非常に高い 2.5%
120~129 高い 7.2%
110~119 平均の上 16.6%
90~109 平均 49.5%
80~89 平均の下 15.6%
70~79 低い 6.5%
69以下 非常に低い 2.1%

WAIS-4(ウェクスラー成人知能検査 第4版)|心理オフィスKより筆者作成)

上記の表から、平均に分類される人が約5割いることが分かります。また、平均の上と下を加えて得点範囲を80~119に広げてみると、約8割の人が収まっていることが分かります。

検査項目の個別の得点も確認することができます。それぞれの検査項目の平均得点は10点になります。

(参照元:WAIS-4(ウェクスラー成人知能検査 第4版)|心理オフィスK