さくらんぼ算には意味がある!さくらんぼ算をする目的とは?
10進法の考え方を覚えるため
さくらんぼ算の目的のひとつに、10進法の考え方を覚えるため、というものがあります。なぜなら、社会では10進法の考え方を使うものがたくさんあるからです。
例えばお金は、1円以外は5か10のまとまりで硬貨やお札を製造しています。(1円・5円・10円・50円・100円・500円・1,000円・5,000円・10,000円)そして、10のかたまりができるごとに位が上がる性質を持っています。
このように、10進法の考えの基礎を作るために10を作る練習をする、というのがさくらんぼ算の目的のひとつです。
くり上がり・くり下がりの計算をしやすくするため
さくらんぼ算の目的のひとつに、小学校1年生が一番つまずきやすい「くり上がり」「くり下がり」の計算をしやすくする、ということがあります。
小学校1年生はまだ計算そのものに不慣れな子供が多いので、まずは「10のまとまりを作る」というさくらんぼ算の計算方法を用いて、計算をしやすくする工夫をしています。
さくらんぼ算の計算ができるようになったら、さくらんぼを書かないで頭の中で考えてみようと促せば、暗算にもスムーズにできるようになるでしょう。
また、さくらんぼ算ができるようになると、2桁以上の計算でも応用が利くようになります。
例えば、45+76=121という計算の場合
図:筆者作成
- 76を5と71に分解する
- 45と分解した5を足して50にする
- 50と残りの71を足して121になる
このようにさくらんぼ算を使って片方の数字を10で割り切れる数にすると、計算がシンプルになり考えやすくなります。さくらんぼ算は身に付けておくと便利な考え方であると言えるでしょう。
子供が理解しているか、先生がチェックするため
さくらんぼ算をするのは、子供が計算方法を理解しているか、先生がチェックするためでもあります。子供の頭の中で10進法の考えが身につき、くり上がり・くり下がりをすることができるのかを、さくらんぼ算の計算式にすることで明確にしようとしています。
先生は子供が計算を理解しているのかを客観的に見ることができるので、子供の理解度を把握できます。たくさんの生徒の理解度を正確に把握するために必要な方法であるとも言えるでしょう。
終わりに
さくらんぼ算は、くり上がりやくり下がりの計算を分かりやすくするために有効な計算方法です。一方で、さくらんぼ算をしなくても計算をしている方も多いため、その必要性や目的は分かりにくいとも言えます。
しかし、子供が10進法の考えを頭で考えて使うことができ、計算をスムーズにするためには有効な方法といえるでしょう。
参考
小学校算数の「さくらんぼ計算」に戸惑う声 文科省の見解は? | J-CASTニュース
「さくらんぼ計算?」「こんなの習ってない!」 親が知らない今どきの小学生の算数 | PHPオンライン 衆知 PHP研究所
さくらんぼ計算とはなんぞ?このやり方はいつから始まった? | 小学校入学女子のママ日記
【さくらんぼ計算】意味あるの?必要性ない?目的と教え方のコツ・親にできること|ランタン
小学校1年生の算数で使うさくらんぼ計算が意味不明!いつまで続くの? | 雑技林
しなければ減点も!?…小学校で強制『さくらんぼ計算』とは?|NAVER まとめ
「さくらんぼ計算」小学校での強制に賛否両論 (2018年11月25日) |エキサイトニュース :