ファシリテーターの役割は?単なる進行役ではない!4つの役割と必要なスキル ( 2 )

ファシリテーターが心得ておきたいこと3つ

ファシリテーターが心得ておくべきことを3つのポイントに分けてご紹介します。

ファシリテーターは中立が基本!

ファシリテーターは中立の立場のため、議論には参加しません。ファシリテーターが中立の立場を崩して議論に参加してしまうと、次のようなマイナスの可能性があります。

ファシリテーターが議論に参加してはいけない理由

  • 参加者がファシリテーターの意見に引きずられる
  • ファシリテーターが冷静に周囲を見られなくなる
  • 話し合いの過程やゴールに不満が生まれる

ファシリテーターは、話し合いが順調なら発言は極力控えます。話し合いが停滞したり、もめそうな雰囲気になったりした場合のみ、必要な言葉を差し入れるのがベストです。

ファシリテーターはリーダーではない

話し合いの主役は参加者です。ファシリテーターはリーダーではなく、サポート役という意識を常に持ちましょう。旗を振るのではなく、促すこと。議長のようにかしこまって進行すると、参加者は意見がしにくいものです。参加者が自由に自分の意見が述べられるように、発言に制約を設けることや、効率を重視した進行は避けましょう。

話し合いの場の雰囲気を把握する

話し合いの場の空気は、参加メンバーや進行状況などによって、大きく左右されます。ファシリテーターは、話し合いの場の空気に対して、誰よりも敏感でなくてはいけません。参加者1人ひとりの様子はもちろんのこと、全体の雰囲気を把握し、ムードメイキングを心がけます。話し合いの論点にずれが生じていたり、脱線しかけたりしたら、素早く対応し、話し合いの流れを止めないようにコントロールしましょう。

ファシリテーターに必要な5つのスキルとは?

ファシリテーターには、表現力や思考力、コミュニケーション能力などの高度なスキルが必要です。ここでは、必要なスキルを5つに分けて解説します。

参加メンバーに応じた事前準備を行うスキル

ファシリテーターの活躍には、事前準備は絶対に欠かせません。事前準備を怠り、話し合いの場だけをコントロールしようとすると、多くの場合はうまくいかないでしょう。なぜなら、話し合いの場では同時に「参加者の発言の促進・サポート」「円滑な進行」「雰囲気づくり」などたくさんのことを把握し、処理しなければならないからです。事前準備を整えることで、ファシリテーターは話し合いの場での不安要素や負荷を減らすことができます。

事前準備の一例

  • 参加人数に応じた会場の設定
  • 参加者の状況に応じた椅子やテーブルの配置
  • 参加者の認識レベルに応じた資料作成
  • 参加者への事前アナウンス(話し合いのテーマや目的、参考となる資料などの配布)

場に応じた雰囲気をつくるスキル

話し合いの場の活性化には、場の雰囲気に細心の注意を払う必要があります。ファシリテーターは、ムードメーカーとしての能力も要求されるのです。それでは、良い話し合いの場にふさわしいのはどのような雰囲気でしょうか。次の3つの空気を意識すると、良い雰囲気になると考えられます。

  • 発言したいと感じさせる「自由な空気」
  • 多数の参加者からさまざまな意見がスピーディに出る「活発な空気」
  • どのような意見も意義があると受け入れられる「安心感のある空気」

この3つの空気を維持するためには、「議論を参加者任せにしすぎない」ことが重要です。自由な発言は活発な議論を生みますが、偏ったものになる危険性も孕(はら)んでいます。ファシリテーターが適切な質問や提案を差し込むことで、参加者が意見を出しやすい雰囲気になるでしょう。

参加メンバーの意見を傾聴するスキル

傾聴(けいちょう)とは、より深くていねいに聴くことを指します。発言の意味や内容を理解するのはもちろんのこと、発言の背後にある本音や感情も聴き取ります。

聴き出すときに重要なのが、受け身で意見を聴かないということです。発言者の意見に対して積極的に関与する意識を持ち、発言者が意見を出しやすいように働きかけましょう。能動的に傾聴することで、普段はあまり発言しない人からの意見も引き出すことができます。

ホワイトボードなどを有効に使うスキル

ファシリテーターは、話し合いで出た意見などを全員に見えるようにホワイトボードや黒板などに書き出します。意見を要約しながら記録することで、メンバーの思考のプロセスを可視化した状態で共有できるのです。意見の書き出しには、次のようなメリットがあります。

  • 意見が書き出されることで、発言者は安心感と参画感を得る
  • パッと見て、会議の方向性が分かる
  • 発言内容が客観的になる

ファシリテーターは話し合いを円滑に進行させながら、ゴールに導かなくてはいけません。そのため、意見の集約をしながら「落としどころ」を参加者に分かりやすく整理することが必要になります。

ファシリテーターが書き出す内容の一例は以下を参考にしてください。

  • 会議の目的の明示
  • 全体における現在の議論の位置づけの明示
  • でてきた意見の要約とリスト化
  • 図解イメージによる理解の共有
  • フレームワークによる全意見の整理

(引用元:ファシリテーターの役割を整理してみました|Preneur-Preneur

論点を深め、絞り込み、まとめるスキル

ファシリテーターは、参加者の意見をまとめるために、それぞれの発言へ適切な対応をします。すべての発言は次の3つに分類できます。

  • 議論をすべき発言
    • 定期的に論点を再確認(ズレ防止)
    • 議論を広げたり、深めたりするための働きかけ(質問・要約)などを行う
  • 確認をすべき発言
    • 不明点や分かりにくい点があれば、発言者に質問する
    • 意見の過不足は、質問で補う
  • 議論・確認の必要がない発言
    • 議論すべきでない意見は、参加者の反発を招かないよう修正し、収束させる

出てきた発言を単純に要約するだけでは、議論はゴールに向かいません。「議論すべき論点」「確認する論点」に分けて注目しましょう。議論のゴールについては、次の2つが挙げられます。

最適解・・・現状情報によるベストな選択・合意

合意・・・・・賛成でなくとも、積極的な反論や代案がない状態

(引用元::1ファシリテーションの全体像,P22|奈良県

最適解・合意のいずれにしれも、対立や衝突・葛藤が生まれることがあります。ファシリテーターはこれらから逃げることなく、メンバーが納得できる「落としどころ」を目指さなくてはいけません。