繰り下がりのない引き算の考え方・教え方
繰り下がりのない引き算とは
「7-2」「3-1」のように数の位が変化しない引き算です。「食べたらいくつ」「違いは何個」などと問いかけます。引き算には「求残」「求差」という2つのタイプがあります。
求残
1つの集合から数を減らす問題です。「食べたらのこりはいくつ?」のように「残りの数」を問われます。つかった、なくした、にげた、かえったなど、いろいろな場面があります。
(例)鳩が5羽いました。3羽が飛び立つと残りは何羽ですか?
求差
2つの集合の違いを求める問題です。「どちらがいくつ多いですか?」「あまりはいくつですか?」などと問われます。
(例)白い鳩が3羽、青い鳩が2羽います。どちらが何羽多いですか?
ケーキが3個、お皿が4枚あります。お皿は何枚余りますか?
教え方のポイント
足し算の後で習うこともあり、「引く」という概念に混乱してしまう子も少なくありません。
求残の問題は身近な物を使って「引くとは減らすこと」と体感させてあげましょう。おやつのときに「3枚のクッキー、1枚食べると、残りは何枚?」などと問いかけていくと自然に計算が身につくでしょう。
求差の問題では、「白い鳥から青い鳥は引けない」「お皿からケーキは引けない」と、違う種類のものは計算できないと悩んでしまう子供もいます。積み木や図を使って対応させながら教えると、引き算をすればいいことが分かってきます。
参考
実は奥が深い1年生の引き算 ~よく分かっていない子はけっこういる~ | 親力講座
繰り上がりのある足し算の考え方・教え方
繰り上がりのある足し算とは
繰り上がりのある足し算とは、答えが10以上の数になる足し算です。
桁が増えるので、子供にとっては難しく感じるかもしれませんが、10ができるペア9通り(1と9、2と8、3と7、4と6、5と5、6と4、7と3、8と2、9と1)を覚えると楽になります。
教え方のポイント
たとえば7+5=12の場合、計算の手順は以下のようになります。
- 7にあといくつ足せば10になるか考えさせる
- 5を3と2に分ける。
- 7+3を先に計算して10にする
- 残りの2を足して12
答えが間違っているときは1、もしくは2ができていないことが多いようです。もう一度数の構成や、足して10になる数などを復習してみましょう。
繰り下がりのある引き算の考え方・教え方
繰り下がりのある引き算とは
2けたの数字からいくつかを引くと1けたになる、というのが繰り下がりのある引き算です。14−6=8のように難易度が上がるため、多くの子供がつまずきやすいポイントです。
教え方のポイント
繰り下がりのある引き算には、「減加法」と「減減法」という2つの解き方があります。どちらも正しい方法です。
引いてから足す「減加法」
引かれる数字を十の位と一の位に分解し、10の位から差し引き計算した後に1の位をプラスします。
(例)12-7
12-7=10-7+2=3+2=5
10ができるペアを覚えていれば、計算は難しくありません。しかし引き算なのに「引く」ことだけでなく「足す」ことが混在しているため、子供によっては混乱してしまうこともあります。
引いてさらに引く「減減法」
引かれる数の方を分解します。
(例)12-7
12-7=12-2-5=10-5=5
引く数の7のうち、引けるだけの2を引いて、引ききれなかった分の5を10から引いて、答えが5となる計算方法です。
引かれる数の1の位に合わせて、引く数を分解することが難しいと感じる子供もいるそうです。
まとめ
計算力をつけるには、練習することが大切です。今は小学校では演習の時間が減っています。だからこそしっかり家庭でフォローしてあげて、算数が得意な子に育てましょう。