足し算・引き算ができるようになる準備
私たち大人にとって1けた、2けたの足し算・引き算は、それほど難しいものではありません。それは何度も何度も繰り返してきた経験があるからではないでしょうか。
初めて足し算・引き算を学ぶ子供にとって、足し算・引き算とはどんなものなのか理解して、できるようになるというのは、なかなかの難問なのかもしれません。
足し算・引き算ができるようになるためには、前提として分かっていなければならないことがいくつかあります。
数や数字を理解している
計算に入る前に数や数字の理解が必要です。
- 1から10の順番を理解している
- 数字の形が分かる
- 数字と物の数が結びつけられる
- 実際に数字を書ける
これらがあやふやな場合は、足し算・引き算に入る前に、しっかり理解させておく必要があります。
「数の構成」を理解しているか
数の構成とは、「5は2と3でできている」のように「数がいくつといくつでできているか」という考え方です。これが足し算のベースとなります。最初はお菓子やおはじきなど目に見えるもので教え、慣れてきたら数字でイメージできるようになります。
最初は5までの数の構成など小さい数字からスタートし、徐々に数を大きくしていきます。
繰り上がりのない足し算の考え方・教え方
繰り上がりのない足し算とは
繰り上がりのない足し算とは、「1+2」、「4+4」など、答えが10以下になる足し算です。
「あわせていくつ」「ふえるといくつ」などと問いかけます。これらの計算式は同じですが、小学校ではこの「あわせていくつ」と「ふえるといくつ」をそれぞれ「合併」「増加」として区別して教えています。
合併
「あわせていくつ」「みんなでいくつ」と問われます。2つの物が対等で、両方から接近するようなイメージです。
(例)「白い鳥が3羽います、青い鳥が2羽います。あわせて何羽ですか?」
増加
「ふえるといくつ」や「くるといくつ」などと問われます。先にあるものに、別のものが加わるというイメージです。
(例)「鳩が2羽いました。3羽増えると何羽になるでしょう?」
教え方のポイント
いきなりドリルなどを利用してもいいですが、身近なお菓子やおもちゃなど物を使ってもいいでしょう。
増加の場合、必ず元の数を左側に書きます。大人は「答えが同じなんだからどちらが先でもいいじゃないか」と考えがちですが、計算式の順序が間違っていると、テストでは正解としてもらえないこともあるので、子供に教える場合は注意が必要です。
さんすうブロックやおはじきを使うとき「合併」は両手でガッチャン、増加は片手で動かす、というやり方で指導している先生もいるそうです。
参考
1年算数.pdf | 高山市役所 学校教育課高山市教育研究所
【指導計画】1年算数「あわせていくつ」「ふえるといくつ」|みんなの教育技術
「増加」と「合併」の教え方から考える足し算の順序問題 | ジャマ育.com