分数の引き算の計算方法
分数の基本のおさらいができたでしょうか。それでは分数の引き算の計算方法についてご説明します。ここでは基本の分数の引き算として真分数を使います。手順は次の3つです。
- 通分する。
- 分子同士を引く。
- 約分する。
具体的に例題を解いてみましょう。
分母が同じ分数の引き算
【例題】分母が同じ分数の引き算
次の計算の答えを求めなさい。 |
【解説】
- 2つの分数は分母が同じなので通分する必要はありません。
- 分子同士を引きます。
- 最大公約数はないので約分する必要はありません。
分母が違う分数の引き算
【例題】分母が違う分数の引き算
次の計算の答えを求めなさい。 |
【解説】
- 分母の5と7の最小公倍数を求めましょう。
- 5の倍数5、10、15、20、25、30、35、40、45……
- 7の倍数7、14、21、28、35、42……
- つまり、5と7の最小公倍数は35だと分かりました。そこで、分母が35に揃うように2つの分数を通分しましょう。
- 分子同士を引きます。
- 最大公約数はないので約分する必要はありません。

帯分数の引き算
帯分数や仮分数を使う分数の引き算には、計算をより分かりやすくするための手順が加わります。問題によって使い分けるとより迅速に正答を導くことができますので、どちらの計算方法もマスターしておきましょう。
仮分数に直さないで計算する方法
帯分数は、整数と真分数の和からなる分数ですので、仮分数に直さずに解く場合は次の手順で行いましょう。
- 真分数を通分する。
- 整数同士を引き、真分数の分子同士を引く。
- 真分数を約分する。
具体的に例題を解いてみましょう。
【例題】仮分数に直さないで計算する方法
次の計算の答えを求めなさい。 |
【解説】
- 真分数の通分をします。分母の27と9の最小公倍数を求めましょう。
- 27の倍数27、54、81……
- 9の倍数9、18、27、36、45……
- つまり、27と9の最小公倍数は27だと分かりました。そこで、分母が27に揃うように2つの真分数を通分しましょう。
- 整数同士を引き、真分数の分子同士を引きます。
- 整数同士の引き算;6-4=2
- 分数同士の引き算
- つまり、
- 真分数を約分します。分子6と分母27の最大公約数を求めましょう。
- 6の約数2、3、6
- 27の約数3、9、27
つまり、6と27の最大公約数は3だと分かりました。そこで、真分数の分子と分母を3で割ります。

仮分数に直して計算する方法
帯分数を仮分数に直して解く場合は最初と最後に分数を直す作業を行います。次の手順で行いましょう。
- 帯分数を仮分数に直す。
- 通分する。
- 分子同士を引く。
- 約分する。
- 仮分数を帯分数に直す。
具体的に例題を解いてみましょう。
【例題】仮分数に直して計算する方法
次の計算の答えを求めなさい。 |
【解説】
- 帯分数を仮分数に直しましょう。
- 仮分数の通分をします。分母の27と9の最小公倍数は27ですので、分母が27に揃うように2つの仮分数を通分しましょう。
- 分子同士を引きます。
- 真分数を約分します。分子60と分母27の最大公約数を求めましょう。
- 60の約数2、3、4、5、6、10、12、15、20、30、60
- 27の約数3、9、27
- つまり、60と27の最大公約数は3だと分かりました。そこで、仮分数の分子と分母を3で割ります。
- 仮分数を帯分数に直します。
20÷9=2・・・2
よって、

まとめ/弱点は部分的なつまずきではなく全体を捉える
算数は、単元ごとの積み重ねの学習です。そのため、お子さんが算数の問題を解けない、もしくは同じ箇所で何度も間違える場合は、以前に学んだ基礎部分を理解できていない可能性があります。
文部科学省の算数・数学に関する主な意見にも次のようなものがあります。
子どもたちがどこにつまずくのかを考えて,どのような力をつけるのか,また全体の系統性をどうするのか考える必要がある。
(引用元:教育課程部会(第3期第1~11回)における算数・数学に関する主な意見(抜粋)(算数・数学について)|文部科学省)
応用・発展問題は難しいから解けなくても仕方ないと諦めずに、理解できたと思い込んでいる基礎問題の見直しをすることが大切です。難しい問題をたくさん解くよりも、基本をおさらいする簡単な問題を繰り返し練習して、基礎力を盤石にしましょう。
参考
小学生の算数 分数 練習問題プリント 無料ダウンロード・印刷|ちびむすドリル【小学生】
分数の計算まとめ。分母が違う分数の足し算・引き算・掛け算・割り算のやり方|アタリマエ!
教育課程部会(第3期第1~11回)における算数・数学に関する主な意見(抜粋)(算数・数学について)|文部科学省