さまざまな不良たちが活躍!中高生におすすめの不良に関する小説5選 - cocoiro(ココイロ)

中高生の子供の中には、不良やヤンキーに憧れを抱く子供もいます。そんな憧れの的である不良が主役の小説であれば、子供の読書もはかどるかもしれません。当記事では中高生でも読むことができる、「不良」に関するおすすめの小説を5つご紹介します。

中高生におすすめ!不良小説5選

不良が活躍するような小説と聞くと、何か悪さをするような話なのではないか? と疑ってしまう人もいるかもしれません。しかし、中には不良たちが活躍して、社会へ貢献したり、不良と呼ばれる子供自身が大きく心の成長を遂げたりするようなお話もたくさんあります。

それでは、どのような不良小説があるのでしょうか? 今回は5つの不良小説をご紹介していきます。

(1)ドロップ(リトルモアブックス)

中高生におすすめの不良小説の1つ目は『ドロップ』(リトルモアブックス)です。中学生の主人公が転校を機に不良になることを決意し、さまざまな不良たちと出会い成長していくというストーリーになっています。

昔ながらの不良たちの生活を描いているため、けんかやタバコなど、中高生には少々過激な描写も多く見られるかもしれません。しかし同時にけんか相手との和解や仲間の大切さなどを知り、揺れ動く主人公の成長も描いています。

公式サイトには、お母さんから主人公への言葉が小説から抜き出されています。

「ヒロシへ 一週間も帰らずに何をしているの。お姉ちゃんから、ヒデ君にお世話になっていると聞きましたよ。いくらあなたが悪ぶっていきがったって、まだ誰かの力を借りずには生きていけないのですよ。ちゃんと自分の力で生きていけるようになってから偉そうなことを言いなさい。冷蔵庫の中にからあげがあるから油で揚げて食べなさい。 母より」本文より

(引用元:『ドロップ』品川ヒロシ|リトルモアブックス

ただ暴れる不良たちを描いただけではなく、彼らを取り巻く家族の様子も描いています。主人公のお母さんの気持ちを自分のお母さんの言葉に置き換えて、不良への見方を変えるきっかけにもなるかもしれません。

また作者はお笑い芸人「品川庄司」の品川祐さんこと、品川ヒロシさんです。読書が苦手な子供でも「お笑い芸人が書いた本だよ」と伝えれば、手に取るハードルを低くすることができるでしょう。

(2)君が夏を走らせる(新潮社)

中高生におすすめの不良小説の2つ目は、『君が夏を走らせる』(新潮社)です。筆者の瀬尾まいこさんは2019年に『そしてバトンは渡された』(文藝春秋)で本屋大賞を受賞しており、記憶に新しいという人も多いのではないでしょうか?

当作品は『あと少し、もう少し』(新潮社)という中学陸上部を扱った青春小説の続編であり、前作の登場人物が主人公となっています。

当作品の主人公である太田は、前作では誰もが認める不良少年です。不良の面影の残る太田は、ひょんなことから1歳10ヶ月の赤ちゃんの面倒を見ることになってしまいます。赤ちゃんとの交流を通じて、試行錯誤しながら成長していくというのが今作のあらすじです。

当作品について、『バッテリー』(角川文庫)など数々の著名作を持つ小説家のあさのあつこさんは、以下のように感想を述べています。

分数でつまずいて、自分を落ちこぼれと自分で決めつけているこの少年は、しかし、実に哲学的でありながら現実的な思考をする。現実に即して問題を解決していきながら、解決していくたびに生きていくために必要な小さな糧、思考力とか希望とか知識とか情報とか他人との結びつき方を学んでいくのだ。したたかで、知的で、寛容で、順応能力に長けて、優しい。

(引用元:君が夏を走らせる|新潮社

不良に憧れて悪さをしてみたいという子供の中には、自分の不器用さやうまくいかない現実に、もがいている子もいるかもしれません。これまで好き勝手していた太田が、慣れないながらに子育てへ挑む様子は、読む人々に勇気を与えるでしょう。