全教科を英語で学ぶ!イマージョン教育のメリット・デメリット - cocoiro(ココイロ) - Page 3

イマージョン教育をしている学校

実際にイマージョン教育を実践している学校では、どのような教育がおこなわれているのでしょうか。海外の学校、日本の学校についてご紹介していきます。

海外でのイマージョン教育

日本では主に英語を主体としたイマージョン教育が行われていますが、海外ではフランス語、スペイン語、中国語などさまざまな言語を使った教育が実践されています。

アメリカのある公立小学校を例にとり、説明していきましょう。
その学校のイマージョン教育のコースは2つあり、フランス語とスペイン語のどちらかを選ぶことができます。日本出身の子供がフランス語のコースを選択した場合は、フランス語とスペイン語、それぞれを担当する二人の教師に学ぶことになります。クラスは2つに分けられ、教師は曜日ごとに受けもつクラスを交代します。ですので、子供は日によってフランス語かスペイン語、どちらかの言葉だけを使った環境に身を置いて学習しています。

日本のイマージョン教育

日本でも熱心にイマージョン教育をおこなう学校が増えてきています。その中に1985年の設立以来、国際的な子供の成長を目的とした英語教育に力を入れてきた学校があります。神奈川県の相模原市に校舎をもつ「ICA国際小学校」では、その教育の高さが認められ、現在は国から正式な認可を受けた小学校となっています。

世界で活躍できる人材の育成のため、個性を生かしコミュニケーションをとれる人に育てることを目標にして以下のことを実践しています。

■日本の文化を大切にし、国語力を高める
国際人として生きるためには日本人の誇りをもつことは重要だとし、学習の中で日本の歴史、文化に触れられるようなカリキュラムが盛り込まれています。また母国語である国語力を高めるため、語彙を増やすような授業や作文の指導があります。

■多様性を知り、個性を生かす
人はそれぞれに違っていて、個性には大きな意味があるという教育の信念があります。そのため、「多様性」を認め広い視野をもった子供に育てるためのプログラムが用意されています。教師は子供とのコミュニケーションを大切にし、1人1人の能力や発達に合わせた指導をしています。

また子供が自分の個性を表現する場が用意されています。好きなものや得意なことをみんなの前で披露することで、自分の個性を知りそれを生かしながら主体的に行動する力をつけていきます。

■多くの体験を通じて、感じる力と思考力を高める
主体的に人生を切り開いていくためには経験すること、感じること、考えることの体験が重要だとしています。自然に囲まれた場所での合宿や農業作業、日本の遺跡や建物見学など、さまざまな活動が年間カリキュラムに組まれ、多種多様な体験ができるようになっています。また、音楽や古典芸能に触れるためにコンサートが開かれるなど、芸術を知る機会が多いのもこの学校の特徴です。校内に置かれたたくさんのアート作品にも子供の感性を高めるヒントが隠されています。

まとめ:イマージョン教育で得るものは英語力だけではない

英語に囲まれた環境の中で英語の力を伸ばすイマージョン教育は、語学の力をつけるだけでなく、国際人としての成長をも促すものです。英語漬けになることによるデメリットも生まれますが、より良い人生を生きていけるような力をつけるメリットもたくさんあります。この先、子供に国境を越えた場所で生きるという選択肢を用意するためにも、イマージョン教育を考えてみてはいかがでしょうか。

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cocoiro編集部

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