貧困による子供たちの教育格差。対策や取り組みについて紹介 - cocoiro(ココイロ) - Page 3

教育格差の対策と取り組み

貧困によって将来の職や進路、社会経済にまで影響を及ぼす教育格差ですが、日本ではどのような対策がとられているのでしょうか。貧困による教育格差を広げないためには、学校以外での勉強の場所や社会経験を積む場所が必要となります。近年では、子供が十分な教育を受けることができるよう、教育支援などを行う団体や取り組みが行われています。

教育支援

2013年年6月、「子どもの貧困対策に関する法律」が成立しました。この法律では、子供の将来が生まれ育った環境に左右されないよう、貧困状態にある子供が教育の機会を均等に受けられる環境を整えることを目的としています。スクールソーシャルワーカーを配置したり、教育費を負担するために無利子奨学金を設けるなどの取り組みのほか、保護者の就労支援や支援体制の整備などを施策として掲げています。

また、NPO法人では幅広い年齢の子供たちの学習支援を行っており、公益社団法人チャンス・フォー・チルドレンでは教育機関で利用できるクーポンを配布する活動を、学習場所を提供し、学びだけでなく心のケアを行う認定NPO法人カタリバなど、子供のための教育サポートを行う団体が活躍しています。

参考
子どもの貧困・教育格差の解決を支援する | CFC
子ども・若者の教育を寄付で支援|認定NPO法人カタリバ

地域活性支援

近年では、教育格差や待機児童問題などを考慮し、住む自治体を選ぶ世帯が増えています。地方移住を考える人のためにも、地域における教育施策は教育格差を減らすための対策として重要。各地域がその地域ならではの教育施策に取り組むことで、地方活性化につながり、安心して子供が教育を受けられる環境を整えています。地域活性支援には、ふるさと納税という方法もありますが、学校の空き部屋や廃校を活用して支援を行う取り組みなども行われています。

教育格差を少しでも減らすためにできること

貧困による子供の教育格差は、子供の能力や才能を生かすチャンスを減らし、将来の進路選択を狭め、社会経済への損失を引き起こすなど、深刻な社会問題の一つになっています。子供が生まれ育った環境に左右されずに平等に教育を受ける機会を与えられるよう、支援制度を積極的に利用するなど、情報を共有しながら認知することが大切です。子供とコミュニケーションを図りながら、教育法についてもう一度考えてみてはいかがでしょうか。

参考
子どもの貧困と教育格差 | 早稲田大学教育学部 金井景子研究室
教育格差「当然」「やむをえない」6割超 保護者に調査|朝日新聞デジタル
子どもの貧困と教育格差 | CFC
子どもたちの現状 | Learning for All 教育格差を終わらせる
貧困が引き起こす教育格差とは?就職、結婚にまで影響する可能性も | gooddoマガジン|社会課題やSDGsに特化した情報メディア
子どもの貧困・機会格差の根本的な解決に向けて-未来への投資による真の総活躍社会の実現- |公益社団法人 経済同友会 

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cocoiro編集部

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