貧困による子供たちの教育格差。対策や取り組みについて紹介

教育格差という言葉を聞いたことがある方も多いかもしれません。先進国といわれている日本において、教育格差は深刻な問題となっており、教育格差が引き起こすさまざまな問題が浮き彫りとなってきています。教育格差への対策や取り組みは、子供の将来も大きく影響します。今回は、教育格差の意味や問題、対策について紹介します。

教育格差について

教育格差が引き起こす問題について紹介してきましたが、そもそも「教育格差」にはどのような意味があり、日本における教育格差の現状や認識はどれほどなのでしょうか。格差社会といわれている日本では、教育格差の認識にも各世帯によって違いがあるといわれています。

教育格差の意味

教育格差の意味は、以下となります。

教育格差とは、親の収入などによる格差が子供の教育環境にも反映される問題であり、生まれ
育った環境により、受けることのできる教育に生じてしまう格差のことである。国民間の差は、教育格差のほかにも都市部と地方間における情報格差、経済的格差、所得格差、学歴格差など様々な格差が存在する。

(引用元:広がる教育格差とその改善に向けて|西 洋香,p91)

生まれ育った環境の違いによって、教育にも差が出てしまい、学歴や将来の年収などにも影響を及ぼします。能力がある子供や努力している子供にチャンスを与えられず、格差が固定されてしまい、将来の進路選択も狭められてしまいます。

教育格差の原因

教育格差の主な原因は、所得格差といわれています。所得が低い世帯では、私立小学校や私立中学校、学習塾などの高度な教育を受けられる機会が減ってしまい、難関大学などへ進学する機会も少なくなることが考えられます。特に近年では、所得が上がるほど進学率が高い傾向にあるといわれており、教育格差が顕著となっています。

日本では公立高校の授業料無償化制度や、高校生を対象とした就学支援金支給制度などが実施されていますが、2002年度から行われた「ゆとり教育」を不安視する声が高まったことから、一般家庭では塾などの学校外教育に対する関心が高まりました。そのため、所得の差によって教育の差も大きくなり、子供の進学率への影響が問題視されるようになりました。

参考
高校授業料無償化・就学支援金支給制度|Wikipedia

日本の教育格差の現状

厚生労働省が発表した子供の貧困率は、2015年時点で13.9%となっており、日本の子供の約7人に一人が貧困状態にあることが分かりました。1980年代から子供の相対的貧困率は上昇傾向にあり、子供が生まれる前から経済的に苦しい世帯も少なくないといいます。また、経済的な理由から塾を諦めた家庭も多いことから、小学校に入って授業についていけなくなってしまう子供もいるなど、家庭環境によって学力に差が生じてくるといいます。

参考
図表2-1-18 世帯構造別 相対的貧困率の推移|平成29年版厚生労働白書 -社会保障と経済成長-|厚生労働省

教育格差を容認する声も?

日本で広がる教育格差ですが、中には教育格差を容認する声もあるといいます。2018年に保護者の学校教育対する意識を調査することを目的に、朝日新聞社とベネッセ教育総合研究所が共同で「学校教育に対する保護者の意識調査」を行いました。その結果、8割以上の保護者が学校教育に満足していると回答しましたが、所得による教育格差については、以下のような結果となりました。

所得による教育格差を許容する(「当然だ」+「やむをえない」)保護者の割合は、18年では全体では6割台であった(62.3%)が、経済状況別に見ると、「ゆとりがある」層においては7割台(72.8%)、「ゆとりがない」層においては5割台(55.7%)で、17.1ポイントの差が生じた。ただし、04年からの変化を見ると、どちらの層でも、教育格差を許容する(「当然だ」+「やむをえない」)保護者の比率は増加

(引用元:朝日新聞社共同調査「学校教育に対する保護者の意識調査 2018」,p14

保護者の6割以上が教育格差を容認する回答をしており、「貧富の差が拡大するか」との問いに対しても、8割以上が今後「拡大する」と推測していたことも分かりました。