日本の性教育の現状と世界の性教育。ユネスコのガイダンスと乖離あり? ( 4 )

家庭で行いたい性教育

日本の学校教育では、具体的な避妊の方法や、性に関する情報収集の方法、ジェンダーに関する理解などが不十分な面があります。だからこそ、家庭で子供と性について話し合う機会を持ったり、気軽に話せる雰囲気を作ることは大切です。最後は、家庭で取り組むべき性教育をご紹介します。

性について相談できる雰囲気を作る

一番大切なのは、子供と「性」について話ができる雰囲気を作っておくことです。これは、夫婦間で性に関する話を対等にできていることが大前提になります。また、性に関する話を家庭内でも意識的に取り上げるようにしましょう。

例えば、生理中や生理前後では体調や気持ちがどのように変わるのかを、パートナーに伝えることは大切です。また、相手の心と身体の状態がどうなのかを理解する姿勢を示すようにします。

普段から家庭で「性」に関する話題が出ていれば、子供は疑問に思ったことを聞きやすいでしょう。また、思春期になり、身体の変化が始まったときや悩みを抱えたときにも質問しやすいでしょう。最も身近な大人である親に「性」の質問ができることは、子供にとって安心感にもつながります。

正しい知識を伝える

インターネットが普及した現代では、情報があふれています。この情報の中には、確かなものもありますが、科学的でないものや根拠のないものも数多く存在しています。また、サイトを検索していたら卑猥な広告が急に出てきたり、意図していないサイトに行ってしまうこともあります。

このような状況だからこそ、子供に正しい知識を伝えることは非常に大切です。インターネット上の卑猥なサイトを避ける方法や、アダルト業界から発信される性行為の方法はフィクションであることなどを親が伝える必要があります。

学校で、踏み込んだ性教育ができない状況であれば、親以外に正しい知識を伝える大人はいないと考えるべき。意図しない妊娠や、性犯罪被害者、性犯罪加害者にならないためにも、正しい知識を伝える努力をしましょう。

はぐらかさないこと

性の話になると、大人は「そんなこと人前で言わないの!」「変なこと言わないで」というように、ついついはぐらかしてしまいがちです。

子供が発達の過程で「性」に興味を持つことは自然なことです。しかし、大人が子供の話をはぐらかしたり、笑ったり、照れたりしてしまうと、その興味にふたをされる形になります。ふたをされた「性」に関する疑問は、行き場を失い、インターネットや友達から聞いた話など、不確かな情報源へと流れていきます。

身近な大人である親が、「性」に関する話をはぐらかしてしまったら、子供はインターネットの情報源に頼る可能性が高くなることでしょう。

まとめ

日本の性教育は、世界の取り組みに比べると多少遅れているのは事実かもしれません。しかし、現状学校では性教育が十分でないのであれば、家庭や地域で行っていく必要があります。性教育は、自分や他人を尊重することにつながるもの。この記事が、海外の性教育にもアンテナを張るきっかけや、子供の将来のためになる性教育をしていくヒントになれば幸いです。

参考

日本が性教育の「後進国」になりつつあるのをご存じですか|現代ビジネス

トップページ|日本性教育協会

学校では教えてくれない“性教育”(遠見才希子)|TBS NEWS

わが国の性教育の現状と課題|日本性教育協会

「性教育の手引」改訂。しかし高校生向けでも「性交」には言及せず。都教委が発表|HUFFPOST

性教育は3歳から始めるのがベスト?! 学校では教えてくれない「SEX」「避妊」|ダ・ヴィンチニュース

性教育の手引き(特別支援編)|東京都教育委員会

性教育の手引き(基礎編)|東京都教育委員会

海外との違いに見る「おうちで性教育」で大切なこと|日経デュアル

UN urges Comprehensive Approach to Sexuality Education|UNESCO

家庭でできる性教育ってどんなこと?…|ミモレ

トップページ|日本性教育協会

わが国の性教育の現状と課題|現代性教育研究ジャーナル

この記事をかいた人

katsu

オランダの小学校で教員になるために、オランダに移住した元小学校教員。「ひとりひとり違った形や色があって、それがいい」と考え、イエナプランを取り入れた学級づくりや授業づくりに取り組む。ファーストキャリアは旅行会社!「教育」と「旅」をライフワークに、フリーライターとして活動中。Twitterで毎日オランダの教育ニュースを発信中!
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