日本の性教育の現状と世界の性教育。ユネスコのガイダンスと乖離あり?

性教育というと、どんなイメージをお持ちでしょうか? 避妊の方法を教えることや性の違いを理解し合うことなど、性教育にはいろいろな意味があります。インターネットにあふれるさまざまな性に関する情報は必ずしも正しい情報ではありません。何よりも大切なことは、子供が正しい知識をつけて、自分の未来を守ることです。今回の記事では、あまり語られることのない日本の性教育の現状と世界の性教育をご紹介します。広い視野で性教育を捉え直す機会になれば幸いです。

性教育後進国になりつつある日本の性教育

世界の先進国に比べると、日本の性教育は非常に閉鎖的で、遅れていると言われています。まずは、東京都教育委員会が提示している性教育の手引きをもとに、各校種ごとの性教育の現状と、これまでの日本の性教育の歴史を確認していきましょう。

小学校での性教育

小学校における性教育の主な学習内容は、下記の4つに分けられます。

  • 生命尊重
  • 生物的側面
  • 心理的側面
  • 社会的側面

生命尊重は、1年生から6年生までの6年間を通して、主に道徳科で学習が進められます。生物的側面では、「体を清潔に保つこと」や「健康的な生活を送ること」「体の発達」「思春期の体の変化」「病気の予防」などが取り上げられます。体育・保健の領域のみならず、学級活動や特別活動の時間、高学年になると理科の時間の「動物の誕生」を通して学習が行われます。

心理的側面では、「個性の伸長」や体の発育や発達に伴い芽生える「異性への関心」、「不安や悩みへの対処」などを学んでいきます。

社会的側面では、「相互理解、寛容」や「家族愛、家族生活の充実」「節度、節約」「友情、信頼」がメイン。また、高学年になるとネットトラブル防止の学習もあります。

参考

性教育の手引き(小学校編)|東京都教育委員会

中学校での性教育

中学校でも、小学校と同じく4つの側面から学習が進められます。生物的側面の学習内容は、より具体的な内容へと変化していきます。身体機能の発達に加えて、生殖に関わる機能の成熟やその発育・発達には性差や個人差があることを学んでいきます。

また、心理的側面や社会的側面から性犯罪被害の防止や性情報への対応など、思春期の不安な気持ちや悩みを解決していくような内容もあります。

小学校に比べて、社会的側面からの学習内容が多くなるのが特徴でしょう。具体期には、「男女相互の理解と協力」や「性的な発達への対応」「異性の尊重」など性差による学習内容が増えます。さらに、社会科の学習として社会や経済、政治、国際問題などとどのように自分が向き合っていくかも考える学習内容です。

参考

性教育の手引き(中学校編)|東京都教育委員会

特別支援学校の性教育

特別支援学校でも、小中学校と同じように、4つの側面から性教育を学習します。東京都教育委員会の手引きには、下のような記載があります。

特別支援学校における性教育の実施に当たっては、障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服し、卒業後の自立と社会参加に向けた視点が重要であり、学習指導要領の趣旨等に基づき、児童・生徒の人格の完成を目指す人間教育の一環として、障害の状態や特性及び心身の発達の段階等に応じた適切な内容・方法の改善・工夫を行っていく必要があります。

(引用元:性教育の手引き(特別支援編)|東京都教育委員会,p111

具体的に教える手法については、学校現場に任されています。障がいによる配慮で、視覚障がいがある児童・生徒には月経用の紙ナプキンを実際に触らせたり、水分を吸収することを理解を深めさせたりするようです。