スウェーデン教育の良い点
性教育でさまざまな取り組みがある
国際的に性教育で先進的な取り組みをしているのが、スウェーデンの教育の特徴です。
スウェーデンの性教育の教科書ではありませんが、人が生まれるまでの過程を描いた「愛のほん」は、年齢制限なく一般の本屋などで購入できます。学校でも性教育は、タブー視せずに行われています。
9歳で普通に、教室で男女一緒に、教育を受けたんです。男の人と女の人が裸の映像がスライドで流れて、教室中が大パニックで、大喜びだったんですけど(笑)。スライドの実写で、出産のシーンを一気に見せられるんです。お母さんがおなかが大きくなって、何カ月かたって、病院で出産するシーンが、その日の授業の最後でした。子供にとっては本当に衝撃的で、最初きゃあきゃあ騒いでいたのが、しーんとなって。その日は、学校から帰ると、親に質問攻めでしたね。
(中略)
セックスに関する質問よりも、出産のショックのほうが当時は大きくて。そのことを、すごく親に聞きました。結果的に性教育がいいか、悪いかは分かりませんけど、親子の関係で、そのぐらい小さいときには、まず親に聞くんです。親とタブーがなくなるというのが、結果的には(いいのかなと)。
(引用元:スウェーデンの性教育「日本と50年は違うかな」 川上麻衣子さん、大使館の親子イベントで熱弁|産経ニュース)
親子で性について話すことすらタブー視されている日本に比べると、荒療治ながら早期に知識を与えておくのがスウェーデンの性教育の特徴です。子供は性に対して興味、関心を持ち、出産という生まれに関わることも子供自ら学んでいきながら、性に対する偏ったイメージを正しているのでしょう。
創造性を育む授業を実施
スウェーデンでは詰め込み式の教育ではなく、自ら考え、行動していくための教育に取り組んでいます。
なぜ?を自分で考える
世の中には、答えのない問いが多く存在します。そういった答えのない問題に対して、自分で「なぜ?」を考えていく力を育みます。「なぜ勉強をしなくてはならないのか?」「なぜ働くのか?」「現代の社会システムはなぜ成り立っているのか?」といったことを自分で考えます。本やインターネットを活用したり、人の話を聞いたりして、自分なりの答えを導いてきます。
参考
スウェーデンの小学校の教科書に見る、子供の創造性を高める3つのヒント|IDEAS FOR GOOD
ルールを自分たちで作る
決められたルールを単に守るのではなく、そのルールすら自分たちで作っていきます。ルールの秩序を保つ、身を守るといった役割を果たすことを理解させた上で、自分たちでルールを作り出すものだと教えます。
もし、既存のルールで疑問が生じれば、子供から教師に対して意見することもあります。つまり、スウェーデンでは、子供は小さな社会人として認められているのです。常識に対する疑問を持ち、大人と議論してルールを決めていく過程で、子供の思考力が鍛えられています。
参考
スウェーデンの小学校の教科書に見る、子供の創造性を高める3つのヒント|IDEAS FOR GOOD
次のステップを創造する
「社会を変える」「イノベーションを起こす」などと未来へのビジョンを持つ子供たちには、その実現に向けた方策を打つだけでなく、実現してから世にどのような影響を与えていくのかも教えていきます。
教科書の一例では、「地域にたくさんの人々が住み、車の交通量が増えました。その結果、地域の子供たちは登下校で怖い思いをしています。どうやったら問題を解決できるでしょう?」という問いに「横断歩道に信号機の設置すること」が解決策として挙げられていました。
しかし、教科書ではそれだけにとどまりません。地域の子供たちは安全に過ごせたとしても、「ほかの地区で交通の混雑が発生した」などと、その次に影響することもあると指摘しています。
自分の良かれと思った行動が、地域や社会にどういった影響を与えるか、その先をも想像できる力を育てようとしているのです。
参考
スウェーデンの小学校の教科書に見る、子供の創造性を高める3つのヒント|IDEAS FOR GOOD