【体験談】障害児の子育てが辛いとき、どんなときに救われた?
ここでは、実際に障害児を持つ親御さんが、子育てで辛いときにどのように救われたのかをご紹介します。
夫のサポートと優しさにより救われた
重度障害の子供を持つしょーゆーたさんは、子育てが辛いとき、夫のサポートと優しさにより救われたといいます。
生後間もなく脳炎を発症したことで重度の障害を持ってしまった息子さんが病院から退院し、家族3人の生活が始まりました。しかし、新生活が始まったものの、息子さんは障害によるてんかん・筋肉の緊張・薬の影響からか生活リズムが整わず、昼夜逆転生活になってしまいました。
さらに、日中起きている時間はほとんど泣き続けて、ミルクも嫌がって飲みません。薬を飲ませるために必死にミルクを飲ませようとしても飲まず、夜中も泣き続けることもありました。
息子さんに対してまったくイライラしないご主人は、夜になると息子さんのお世話を交代してくれました。しかし、この状態が数ヶ月続いていたしょーゆーたさんは、ついにストレスの限界に達してしまいます。
泣き続ける息子さんを見て、自分の無力さを感じて母親としての自信もなくなり、息子さんへの愛情も分からなくなり、何もかも投げ出したくなっていました。
ある夜、泣き続ける息子さんのお世話をご主人と交代した翌朝、ご主人は息子さんを寝かしつけ、しょーゆーたさんを起こさないように仕事に出かけていました。息子さんは泣き疲れてスヤスヤと眠っていました。
「また2人の時間が始まるのか……」としょーゆーたさんが憂鬱に感じたときのこと、寝ている息子さんの枕元に紙が置かれていることに気づきます。
よく見るとそこには息子さんの似顔絵と「ママ、毎日ありがとう。大好きだよ」というメッセージが書かれていました。それを見た瞬間、大泣きしてしまったしょーゆーたさん。息子さんが実際にそう言っているように感じたそうです。
そこからは気持ちを入れ替えることができ、イライラすることがあっても何とか苦難を乗り越えることができたそうです。疲れ切っていた妻を癒やすためのご主人の優しい行動により救われたという体験談です。
親の会での先輩ママからのアドバイスで救われた
自閉症の息子さんを持つ立石美津子さんのケースをご紹介します。立石さんは自閉症のある当時2歳の息子さんを育てるなかで、思い通りにいかない育児にストレスを感じていました。なかでも一番辛かったのが息子さんの大パニックです。
息子さんが大パニックになると、家中の物をぶちまけ、腕をかみ、頭を床にぶちつけるように。そんなときは立石さんも逆上してしまい「ああ、私は虐待している」と思いつつも息子を叩いていてしまうこともあったそうです。
そんな状況に危機感を持ち、自閉症の子供を持つ親の会を探して足を運んだ立石さん。同じ自閉症児を持つ親の会に行ったことが、辛い育児を抜け出す転機になりました。
親の会では自閉症の子供を持つ親がたくさん出席しています。会では「こんなことで困っている」「そういうときはわが家はこうしているよ」というように、周りの親と情報交換が行われました。
「あ、私だけじゃないんだ」とホッとする場面もあったそうです。そして、立石さんの息子さんよりも大きい思春期の発達障害児を持つママから、こんな話を聞きました。
「私が息子の障害を認めることをしないで、出来るだけ皆と同じようにしてほしいと願い・・・・
幼い頃から叱って叱って叱り続け、責めて責めて責め続け、苛められ苛め抜かれて・・・
担任からもダメな子扱いされ・・・・今、子どもは16歳。子どもの自殺願望が止められない。これをしないように家族で監視することが限界になり精神科に入院させている」
(引用元:子殺し|立石美津子オフィシャルサイト)
立石さんはこの話に大きなショックを受け、「ああ、子供を変えるのではなく、私が子育ての仕方を変えなくてはならないんだ」と気づいたそうです。
さらに、「立石さん、あなたの子供はまだ2歳で自閉症だと分かったんだから、将来2次障害を起こさないためにも、特性に合った子育てをしなさい」と先輩ママからアドバイスを受けたことも心に響いたといいます。
立石さんの場合、親の会に参加することで同じ境遇の話し相手ができ、心が安堵する場面がありました。さらに先輩ママの体験談やアドバイスを聞くことで、これからの子育ての仕方を考え直すことができたそうです。