特徴6:子供の成長を心配する
「ガールズちゃんねる」に子供の成長を心配しすぎて子育てに向いていないと思っている人のコメントが投稿されています。
私もかなり向いていない。
心配性の私と発達の遅い息子。
子育てって相性もある気がする。
言葉もオムツが取れるのも遅くなくて、友達と遊べる子だったら、私はもっと気楽に楽しんでいたと思うんだ…
(引用元:子育てに向いていないと気がついた人(120. 匿名 2017/06/17(土) 22:26:25 )|ガールズちゃんねる)
我が子が周囲の同学年の子供と比較してできることが少なかったり、身長や体重が小さかったりすると、親は何かの病気なのだろうかと心配になります。
また、子供が小学校に入り、学校で問題を起こしたり、友達と一緒に遊ぶことがない場合は社会に適合できるのだろうか、どうして普通でいられないのだろうか、と心配する親も少なくありません。特に発達障害と診断されない子供、いわゆる「グレーゾーン」と言われる子供とその親は、周囲からの理解が得られずに「親の躾や愛情不足」と言われてしまい孤立してしまうことがあります。
他にも年齢が上がる共に心配の種は変化します。ママに寄り添う情報を提供する「ママスタセレクト」に次のようなコメントがあります。
高学年女子の長女の友人関係が心配。おおらかに見守ってるけど内心はモヤモヤ。
器の大きな人になりたい
(引用元:「私、育児に向いてない」と思う瞬間は?|ママスタセレクト)
子供の行動や発達などを一人の個性だと認められずにあれこれと注意をして、親子喧嘩になったり、心ない言葉の応酬をすると、自分は子育てに向いていないのだと考えるようになってしまいます。
子育てを楽しんでみよう!気持ちが楽になる6つの方法
それでは、子育てに向いていないと悩むパパママはどうしたら気持ちが楽になるのでしょうか。子育てに向いていないと悩む人の特徴を捉えて、解決方法をご説明します。
方法1:「良い子」ではなく「自立した子」を育てよう
思い描く理想的な子供とは、親にとって都合が良い子ということです。都合の良い子供を育てることが子育ての目的なのでしょうか。
立正大学教授で臨床心理士の宮城まり子氏は、子育てのゴールの一つは「子供の自立」であると説いています。
幼児期から自立へ向け、食事、着脱、排泄、入浴、など親に依存せずともできるように生活のなかで子どもをしつけ、教育をしているのである。そして、最終的には社会のなかで働き、収入を得、経済的にも親から自立し、子どもが自分の人生を歩むことができるようにすることが育児の目的であり、育児の社会的役割であるといえよう。
(引用元:「子どもの自立」は「親の自立」 ―自立に向けた5つの条件とは―|ベネッセ教育総合研究所)
子供を経済的・精神的・社会的に自立させることが子育てのゴールの一つであるならば、子育ての本質は親にとって都合の良い子に育てることにはありません。
子供は、親にしてみれば血肉を分けた自分の分身のような存在です。そのため、周囲に自慢できる子供を持つことは、親自身が褒められ、そして親としての教育方法を褒められることに感じて優越感を持ってしまうのは仕方のないことでしょう。
しかし、子育てとは、一過的なものではなく、子供が自立するまでの長期にわたる大仕事なのです。子供は常に成長過程で変化していきます。自分が思っていた理想的な子供ではなくとも、しっかりと自分の力で生きていける子供に育てば良い、と考えてみましょう。
参考
理想的な子供像、素直ないい子は親にとって都合のいい子供|コミュニケーションスキル上達の道~人間関係マステリー
子育てのゴールは子どもを”自立”させること!3つの”自立”とは?|健康探究家 平林元之 Official Site -The QUEST-
方法2:子育ての悩みを話して「孤育て」から抜けだそう
自分ばかりが辛いと考えてしまう人は、孤独を感じている場合があります。子育ては、親ならば誰しもが当然行う「普通のこと」と考えられがちなので、社会から評価され認められることがありません。また努力したことの成果が見えにくいのも無限の苦痛を感じてしまうのも原因の一つでしょう。
そんな「孤育て」から脱却する方法として、日本公衆衛生雑誌に家族や友達とのソーシャルネットワークやソーシャルサポートが重要だという研究結果が掲載されています。
母親の孤独感の予防・軽減には,ママ友達や友人の有無,実父母・ママ友達・友人との関係,対人態度,母親意識等をアセスメントし,その上で,母親の対人態度や状況に応じ個別や集団で,母親役割の肯定感を高められるような介入や,ママ友達・友人と直接会う機会および実父母・ママ友達・友人からソーシャルサポートを得られるような働きかけを行うことが重要であると考えられた。
(引用元:乳児を持つ母親の孤独感と社会との関連について(2013/12/15)|第60巻 日本公衆衛生雑誌 第12号)
育児の悩みは、同じ境遇の友人と話して解消するのが最良の方法だといいます。日常の育児の悩みを話して共感を得られると、気持ちが楽になるでしょう。
また、一番の子育ての協力者である夫婦で話すことも効果があります。もし、配偶者に不満がある場合は、相手に何をしてほしいかを具体的に整理して話してみましょう。
参考
「自分ばかりつらい!」と妻も夫も叫ぶワケ|東洋経済ONLINE
方法3:意見を押し付けてない?自分を見つめ直そう
立正大学教授で臨床心理士の宮城まり子氏は、子育てのゴールの一つは「親の自立」であると説いています。
子どもを自立させる過程は、同時にまた親の子どもからの自立の過程でもある。子どもは成長に伴い、時間的にも物理的にも次第に親から離れ、生活するようになる。親子の距離が出てくるにしたがって、精神的にも自然に親子は分離していくのが本来の定理であった。しかし、最近では少子化のなか、親が先まわりして細かく子どもの世話をし、子どもが大きくなっても親子が互いに依存していつまでも離れられないような状態が散見される。
(引用元:「子どもの自立」は「親の自立」 ―自立に向けた5つの条件とは―|ベネッセ教育総合研究所)
つまり、親が子供に過干渉してしまうと、子供が親離れできないだけでなく、子離れもできなくなるということです。
親の指示ありきで育った子供は、人生の岐路に立った時に自分で正しい判断ができなくなったり、自己評価が低くなってしまうという傾向が見られます。
失敗することも経験
では、いつ頃から子供と距離を持つようにするとよいのでしょうか。小児科医師の白川嘉継氏によると、子供は2歳頃までは「助けが必要な時期」ですが、以降は「支える時期」に入るといいます。白川医師は子供の3歳までの育て方で気をつけたいことは2つあると言います。
「子どもの行動の先回りはしない」ことと「子どもの言葉を否定せず、きちんと話を聞いてあげる」ことが大切です。
(引用元:医師が警告!「3歳までの育て方」ここに注意(2017.11.11)|東洋経済オンライン)
子供は成功することだけでなく、失敗することも大切な経験の一つです。子供のことを思うならば、子供が一人で最後までやり通すのを待つという忍耐力を持つことも大切なのです。
また最後まで子供が言う前に言葉を遮ってしまうと意見の言えない子になってしまう可能性があり、よくありません。自分の気持ちを言葉で表現できるような子供に育てるためには、きちんと最後まで話を聞いてあげることが大切です。
参考
子どもに「正論より共感」が響く本質的な理由|東洋経済オンライン
ヘリコプターペアレントにならないために:前編|AllAbout
「ヘリコプターペアレント」とは? 生きづらい子どもに育つ親の存在|HUFFPOST