格差や恋愛禁止も?日本と中国の教育の違い
中国の教育は日本とどのように違うのでしょうか。ここでは、少し驚くような違いをご紹介します。
農村部の6割以上が高校未進学?都心部との格差も
中国の進学事情を調査したアメリカの米スタンフォード大の研究チームは、以下のような結果を発表しました。
- 中国都市部は9割超が高校進学
- 農村部は6割超が高校に進学せず
これにより、約半数の乳幼児に知能の発達の遅れが見られるという報告も出ています。都心部と農村部の格差が問題となっているのです。
参考
【世界を読む】格差を解消できない中国の教育…背景に特有の戸籍制度|産経新聞
飛び級と落第の制度がある
中国には飛び級制度がありますが、すべての学校で行われているわけではありません。飛び級をするには、飛び級専門の試験に合格する必要があります。飛び級専門試験は学生自身が受験を希望するケースは少なく、両親や担任の先生の推薦がきっかけとなるケースが多いようです。また、中国には日本にはなじみのない「落第制度」があります。日本の小学校に当たる初等教育のときから、中間テストや期末テストがあり、不合格となると進級ができないとされています。
成績重視!加熱する受験戦争
日本のニュースでもたびたび取り上げられるほど、熾烈を極めている中国の受験戦争。大学受験制度「高考(ガオカオ)」に合格するために、「高校3年生は1日平均15~16時間勉強している」という話が出るほどです。中国では「学歴主義」の価値観が強く、「良い大学に合格しなければ、後の人生で苦労する」という考えが一般的なのだとか。そのため、大学受験が最重要視されています。毎日の宿題量や勉強時間の長さ、学校の校則なども日本とは大きく異なるようです。
参考
恋愛は禁止、一日16時間学習!?日本とはこんなに違う、中国・教育事情|HUFFPOST
どうして?中国のほとんどの高校では恋愛禁止!
中国のほとんどの高校では恋愛が禁止されています。高校生に最も大切なのは、勉強であるという考えから禁じられているようです。交際発覚時の処分は学校によって異なりますが、厳しい学校の場合は退学になることもあるそうです。実際に交際しておらず、交際が疑われるという段階でも、双方の両親が学校に呼び出されて注意を受けるとされています。
中国の学校で行われる特別な活動とは?
中国には行進の訓練をしたり、軍歌をうたったりする「军训(ジュンシュン)」と呼ばれる活動があります。军训は軍事的な訓練です。活動の時期や内容は地域や学校によって異なりますが、全学年が対象ではないようです。
また、毎週月曜日の朝には国旗敬礼、小学生は国旗の一部を意味する赤い布を首につけて通学します。
もしも中国で暮らすことになったら。日本人の就学状況
中国赴任や中国移住の際に気になるのが、「日本人の子供が受けられる教育について」ではないでしょうか。ここでは、それぞれの学年別にご紹介します。
未就園児の場合
これまでは外国人が入園できる幼稚園は限られていましたが、現在では受け入れ可能な幼稚園も増えてきているようです。英語で教育を行う幼稚園もありますから、現地語が苦手な親御さんも安心でしょう。ただし、費用は外国人料金で比較的高額な場合が多いようです。
小・中学生の多くは日本人学校へ
小・中学生は日本人学校に在籍することが多いようです。日本人学校は、北京、天津、上海、香港などにあります。そのほか、国際校(インターナショナルスクール)または現地校の国際部に通っている子供もいます。
現地校の国際部の場合は、中国人生徒とは別で授業を受けることになります。中国の義務養育は無償化されていますが、日本人は無償化の対象外となり、学費を納付する必要があります。現地校国際部の場合は、使用言語は中国語となるので注意が必要です。
高校生は上海日本人学校に設置された高等部または、国際学校や現地校国際部に通うことになります。
日本語や日本の学習をする補習校もある
中国にも、週末や平日の放課後に日本語などを学ぶ「日本語補習授業校」があります。授業内容は、国語や算数を中心に行われることが多いようです。現在、中国にある日本語補習学校は、上海や瀋陽などの都心部を中心に8校となっています。
参考
中国の日本人学校・インターナショナルスクール|【海外移住.com】
まとめ
中国の教育制度は、都心部と農村部で格差が見られる一方で、高等機関への進学率が国家目標をクリアするなど、両極端な印象を受けます。賛否両論はありますが、中国の学生が勉学に励む姿には、日本人学生も見習うべき点があるかもしれません。
参考
中国の学校教育 ~飛び級の実態とは!?~|DoYa!!Chinaブログ
中国の現地小学校の時間割とクラブ活動を紹介! (4)|ニーハオ中国