子供の将来は教師次第?10歳で進路が決まる「ドイツの教育制度」 - cocoiro(ココイロ) - Page 2

初等教育/基礎学校(グルントシューレ)4年制

ドイツの基礎学校は、日本の小学校の1~4年生に当たります。ドイツでは学区による指定校はなく、入学する学校は保護者が選択できます。卒業後は中等教育に当たる3つの学校のうちのいずれかに進学しなければなりません。進学先によって、「大学に進学する」か「職業訓練を受ける」が決まります。一度入学したら進路変更は難しく、10歳で将来を決めることは合理的との評価がある一方、早すぎるとの批判もあります。

参考

ドイツの学校系統図 |文部科学省

10歳で将来の分かれ道?!ドイツの教育システム|ナレッジキャピタル

入学年齢に幅がある

日本では満6歳以上でなければ小学校に入学できませんが、ドイツでは基礎学校の入学年齢を以下のようにしています。

【その年に就学しなくてはならない子供】

  • 入学時に6歳になっている7月1日~12月31日生まれ
  • 入学時に6歳になる1月1日~6月30日生まれ

【その年に就学してもよい子供/翌年度に就学する子供】

  • 入学時に6歳の誕生日を迎える7月1日~12月31日生まれ

ドイツの基礎学校入学の判断基準となるのは年齢だけでなく、子供の発達や言語能力、小学校生活に適応できるかで決まります。進学を遅らせることを保護者が希望するケースもあれば、幼稚園の先生などから提案されることもあります。入学に関する決定権は基礎学校の校長にあり、面接によって判断が下されます。

参考

ドイツの小学校と就学猶予について|ドイツの木のおもちゃ ホルツリーベ

小学校でも留年は当たり前?

日本の小学校では欠席や成績に関係なく、次の学年に無条件で進級できます。しかし、ドイツでは主に成績面で問題があった場合は留年するのが一般的です。日本ではマイナスの印象がある留年ですが、ドイツでは割とポジティブにとらえられています。「勉強のペースは個々で違い、他人と比較するものではない」という考えが根底にあるようです。

10歳で進路が決まる!将来は教師次第?

ドイツの子供たちは基礎学校の最終学年である4年生で、進学先(将来の進む道)を決めなくてはいけません。進学先の選択には、小学校での成績や授業態度、本人の性格が大きく影響します。親や子供自身の希望が必ずしもかなうわけではありません。本人や家族が大学進学を目指す「ギムナジウム」を希望しても、子供にその能力がないと見なされれば、別の進学先が推薦されます。進学先の最終決定権は教師にあります。子供の成績や性格などに配慮しながら、複数の教師が議論を重ねて決めていきます。

参考

Nr. 8 小学4年生は人生の分岐点|ドイツニュースダイジェスト

10歳で将来の分かれ道?!ドイツの教育システム|ナレッジキャピタル